猫まっしぐら【ショートショート】
猫ママ「ねぇ、あれって……ねこ助じゃない?」
猫パパ「本当だ! 塀の下でねこ助が泣いてる。親は何をやってるんだ!?」
猫ママ「親は私達よ。とにかく助けないと!」
猫ママは周りの猫たちに助けを求め、救出チーム「猫まっしぐら」を結成。
猫まっしぐらは、ねこ助救出作戦を練り始めた。
猫ママ「まず、みんなで塀の下に降りてちょうだい。それから私がねこ助を咥えて、ここまで運んでくるわ」
猫パパ「お前たちは危険がないか見張ってくれ」
猫まっしぐら「「りょーかい」」
猫パパ「よし、行こう! 救出作戦発動!」
猫まっしぐらは塀をさっそうと飛び降り、ねこ助のいる場所へと忍び寄った。
ある程度距離を詰めたところで足を止める。
次に……猫パパが静かに近づき、ねこ助の注意を引く。
ねこ助「助けて~!」
猫パパ「ばぁー!」
ねこ助「ぅわ!ぅわ! うわー!」
猫パパ「食べちゃうぞー」
ねこ助「うわー! 助けてー!」
ねこ助は大声で泣き出した!
猫パパ「え!? ちょっ、泣くな泣くな。パパだってー」
ねこ助「うわー、パパだー。パパがでたー!」
猫パパ「いや、パパだよ」
ねこ助「パパきらーい!パパいやー! くさーい! 来ないでー!」
猫パパ「おぃ、マジで泣くぞ……」
猫まっしぐら「いまだ!」
猫まっしぐらが合図を送ると、猫ママが飛び出し、ねこ助を咥えて安全な場所へ運んだ。
他の猫たちは周囲を監視し、見張りを務めた。
猫まっしぐら大活躍!?
ねこ助を救出した一同は喜びに包まれた。
猫パパは、何故か泣いていた。
猫ママ「パパ、嬉しいのね」
ねこ助「……うん。そうだね。きっとそうだよママ!」
猫パパ「どうせどうせ……おれなんて……」
猫ママ「さぁみんな! 報酬はカルカンよ! 沢山食べてね!」
猫たちはカルカンにまっしぐら、夢中になって食べた。
あまりの美味しさに、猫パパは泣きながら食べたとか……。
〈了〉