息を殺して寝る

 思い出せない話があることを思い出した。

 おばあさんが追いかけてきて、主人公を血眼になって探している。たくさんの昼寝をしている子の中に、その男の子がかくれて、寝たふりをする。

 おばあさんが、男の子のそばに来て、さっきまで走ってたから、息が上がっているはずだ……と言う。

 ここだけは何となく覚えているが、その後どうなったのか、そもそもどうして追われているのか、すっかり忘れてしまった。

 こんなにバクバクするのに、続きがわからない。この話をたまに思い出して、いつも困っている。

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 絵柄は、「おしいれのぼうけん」に近いものだった気がする。むしろ、私の記憶のなかでは、(ほぼ)同じになっている。

 もしかすると、「おしいれのぼうけん」だったのかもしれない。

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スクリーンショット 2020-05-23 2.52.38

 履歴が変なことになってしまった。なんで同じこと(「おばあさん 怖い 絵本」)を3回調べているのか。

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 作業が面倒になって、自分をだますために寝てしまおうとすると、時折この話のこの場面だけを思い出す。

 目を閉じると、白黒で描かれた、悪魔の形相をしたおばあさんが、さっきまで起きていたから息が上がっている、と私に話しかけてくる。

 当然、眠れない。

 人は、少なくとも私は、自分の息の音が聞こえて、安心するときと、余計に何か不安になるときがある。こういうときは大抵後者だ。

 正直、普通にこわいのでやめてほしい。

 でも、結果的に起きるべき時間に起きているのだから、いいことなのかもしれない。

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 最後まで、ありがとうございます。

文明

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