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あおぞらの憂い

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2021年4月の記事一覧

あおぞらの憂い

私は渚町の店で働いてもう4年になる。田舎のわりに工場が集中していて毎日忙しくて、なんだか辛気臭かった。私の若さが毎日少しずつ削られているような気がした。歳をくう前に心が歳をくってしまって誰も私のことを見なくなるだろうと本当に思っていた。昼の時間は定食屋をやっていてこれも地元の工場で働く大人たちがこぞってやってきた。昼の12時で3組ほどの待ちはよくあることで、平日はもはや工場の食堂だと思っていた。こ

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