過去の活動紹介)2020.1.18
「農家の冬仕事・草鞋づくりを体験しよう」
2021年1月17日(日)、小桜館にて草鞋編み体験ワークショップを開催しました。
2017年より開催してきたワークショップも4回目となり、文教の杜の冬の恒例行事となってまいりました。毎年多くのご応募を頂きありがとうございます。
わら細工は古来より農家の冬仕事として営まれてきました。戦後の産業発展により機械化が進む過程で徐々に需要がなくなりましたが、長井市では、草鞋は伝統の獅子舞には欠かせない履物として、今も変わらず必要とされています。
草鞋づくりに使用するワラは、一般的に食されるコシヒカリやつや姫などの稲藁ではなく、彦太郎糯やこだけ糯といった長く柔らかいワラを使用します(柔らかいとワラ打ちがしやすく、丈夫な草鞋ができる。また長くないと節や継ぎ足しが多くなり脆くなる)。近年のコンバインで収穫された稲藁は粉砕され使用できないので、勧進代地区では住民たちが協力してこだけ糯を育て、手収穫を行い草鞋用の稲藁を確保しています。そのワラを収穫し乾燥、脱穀を経て、藁打ち作業を行います。
ランマーやカケヤ、わらびつつを使用して800~1,000回打つことで、芯まで柔らかくしなやかになります(硬いままだと縄が綯えず、不十分だと脆くなる)。今回のワークショップでは、昨年の展覧会にわら細工をご提供いただき、トークショーにもご登壇いただいた勧進代地区の故・田畝弘さんにご用意いただいていた打藁と縄を使用しました。
今回は、トークショーにもご登壇いただき勧進代地区の稲藁づくりドキュメント映像作品を制作したアメフラシ代表の村上滋郎さんと、同じくメンバーの池田将人さんに講師を務めていただきました。また制作補助として、勧進代地区の草鞋づくり名人である梅津さんと渡辺さんに入っていただき、全員の1足完成を目指しサポートしていただきました。
手順の実演を行い、縄綯い作業開始です。慣れた手付きでどんどん進む人もいれば、全く初めてでうまく行かない方も多くいましたが、講師陣の手厚いサポートでなんとか全員縄を綯うことができました。
昼食後、いよいよ草鞋の制作です。
全員が1足とまではいかなかったですが、片方は皆さんつくることができました。
最後に村上さんから「継承しなければと重く受け止めるのではなく、この体験が稲藁文化やその現状について知り、興味をもつきっかけになればいい」と話があり、参加された皆さんからは「難しく、頭を使った」「手仕事を受け継ぐ文化を大切にしたい」「作った草鞋を履いて生活したい」といった感想をいただきました。
材料となる稲藁の確保に依然として課題がありますが、今後も長く継続して開催して参りたいと思います。
草鞋をつくる|https://youtu.be/sA7kdXOzNho
稲藁をつくる|https://youtu.be/CjTeaNQ1y2U
アメフラシ|https://ame-furashi.com/