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バイデン氏が勝ったことの意義

トランプ大統領の4年が終焉を迎えようとしています。報道の通り、彼自身が敗北宣言をするまでは完全に終わったとは言えませんが、全米の動きを見る限り予想よりも早い段階でバイデン新大統領の最終決定がされそうです。

今回の大統領選挙は文字通り歴史的な選挙戦となり、米国内だけではなく世界中で注目がされました。

トランプ大統領就任からこの4年、アメリカではこれまで以上に国内の分断が浮き彫りになっていました(米国滞在5年で肌で感じたことです)。黒人奴隷制度という「黒歴史」を持つこの国で、人種差別の問題は切っても切れない社会問題として今もなお根強くあり続けます。

いわゆる白人優位主義(white supremacy)、トランプ大統領が大統領選挙線を通して一貫して否定することのなかった信条。白人は全ての人種よりも優れているという時代遅れも甚だしい考え方を持つ人々が、信じられないくらい存在するのがアメリカです。2001年の9.11以降のイスラム系への無条件迫害。そして、この度のコロナによって引き起こされたアジア人への執拗なヘイトクライムの数々。もちろんテロを受けた国、中国が発信とされるウイルスによる社会的・経済的大打撃を受けた側として、相手を批判する権利は十分にあることは否定できません。しかし、その事実を持って米国内に住む全アラブ系・イスラム系人種を暴行することやアジア人に罵声を浴びせることを正当化することはできません。有色人種だけが正当な理由もなく路上で首を押さえつけられ窒息死させられたり、無慈悲に警官によって銃殺されることが許される社会であってはならないと思います。

日本では、トランプ大統領の強固な対中姿勢や北朝鮮拉致問題に関する真摯な対応を高く評価する声も多く、もちろんそれらのトランプ大統領の日本に対する功績は日本人の視点からすれば称賛されて然るべきであることは確かだと思います。日本からすればこのままトランプ大統領におんぶにだっこで中国を抑えてもらえるという旨みを考えればトランプ政権続行はさぞ望ましいことではあるのかもしれません。ただ、この選挙はあくまでもアメリカ国内の選挙であって、アメリカ国民の民意を問う選挙です。世界のリーダーとされるアメリカで、今後の4年間にどのような影響をもたらすかという意味で日本のみならず全世界が注目し意見するのは当たり前ですが、国である以上、その国民の意見があってこその存在意義があるのです。

トランプ大統領がもたらした日本が称賛する4年間。当事者であるアメリカ国民や私を含めたアメリカの納税者はどのように生きてきたか。CNNのVan Jonesの選挙結果を受けたこの動画が全てを物語っていると感じています。
#Character Matters

経済も大切です。外交も大切です。ただそれ以上に、アメリカに住む人たちの大半が日常生活に苦悩を覚え、有色人種であることへの危機感すら持っていたのです。ただ平穏な日常を過ごしたいという思いが込められた今回の選挙。Character Matters. 個性を持つことは罪ではないのです。人種という個性。宗教という個性。バイデン氏は勝利演説でこう言いました。

“We may be opponents, but we are not enemies."
(民主党と共和党は)対峙者ではあるが、敵ではない。

選挙という戦いが終わった後は、同じ国民として一丸になるという一国のリーダーとしての発言でした。おそらくトランプ氏からは決して聞くことができない言葉でしょう。トランプ大統領の心底にこのような考えは存在しないからです。もし少しでもそう思うのであれば、今頃はトランプ氏の支援者を含めた全国民のために敗戦演説を行なっているはずです。週末をフルにゴルフに費やす時間はあっても、国民にとっての最善を考える時間はないようです。

まだまだ終わりが見えない大統領選挙ですが、1日も早く決着がつき、新たな4年間を迎えられることを祈るばかりです。

以上、ちょっと真面目な話になってしまいました。

ではでは

sk

<matterのお話>
ちょっとだけ英語の話。このmatterという単語は日本語にしてしまうとなかなか理解しにくい単語なのですが、実はとても深い意味を持っています。とりあえず辞書の意味:

1. mat‧ter /ˈmæt̬ər ǁ ˈmætə/ [名]
(検討・対処を要する) 問題, 事柄
2. matter[動] 《自進行形不可》
重要[問題]である
https://www.ldoceonline.com/dictionary/english-japanese/matter

主に、「問題、事象、出来事」などといった意味で使われます。名詞で使われるとそれほど理解が難しい単語ではありませんが、動詞のmatterのように使われると文脈によってニュアンスが変わってきます。辞書には「重要である」という意味で描かれますが、もう少し掘り下げると「当事者によっては重要である」という意味の方が的確ではないかと解釈しています。つまりどういうことかというと、「物事の重要性は、その状況に置かれている人や、またはその人の考え方や習慣にとって重要かどうか」というレベルまで念頭に置いた上で重要性が変わってくる。その点を踏まえた上でこのmatterの解釈が変わってくるということになります。

日常会話でよく使われる, It doesn't matter (to me)=(私にとっては)どうでもいい. 

これが、今回のようにblack lives (アフリカ系人種の命)matterという使い方になったりしてます。


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Satoshi Kondo
ありがとうございます!年に一回ぐらい美味しいお肉が食べたいので何卒何卒・・・笑