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開創550年でお待ち受け

※文化時報2021年9月30日号の掲載記事を再構成しました。

 吉崎御坊の開創550年を記念し、浄土真宗本願寺派と真宗大谷派の僧侶らが2022年5月下旬に計画する合同法要に向けた「お待ち受け=用語解説=法要」が9月19日、御坊跡の「御山(おやま)」(福井県あわら市)の蓮如上人像前で営まれた。新型コロナウイルスの影響で参拝者は受け入れなかったが、動画投稿サイト「ユーチューブ」の本願寺吉崎別院公式チャンネルでライブ配信した。

 東西吉崎別院に関わる僧侶有志で結成した実行委員会が企画。崇敬区域の僧侶が出仕し、大谷派吉崎別院の篠原亨栄輪番の調声で、共通勤行の和訳正信偈を勤めた。

 法要後には、本願寺派吉崎別院の門野哲丈輪番が法話した。1934(昭和9)年10月、御山で大谷派の大谷光暢宗主の導師で法要を営み、高村光雲作の蓮如上人像が除幕されたことや、75年には国の史跡に指定されたことなどを紹介した。

 門野輪番は「蓮如上人は、吉崎御坊で積極的な伝道を進めた。親鸞聖人が正信偈に込めた願いを受け止め、誰もが一緒に唱えられるよう、正信偈和讃を開版した」と述べた。その上で「名号や仮名交じりの御文章(御文(おふみ))を数多く授けた。お念仏を知らない人たちに教えを広めていった」と、現代の東西本願寺教団の礎を築いた蓮如上人の遺徳をしのんだ。

 蓮如上人が吉崎御坊を開いたのは1471(文明3)年。本来なら2021年が開創550年に当たる。このため、実行委員会は9月19、20の日に記念法要と記念行事を盛大に営む計画だったが、コロナ禍で延期。「お待ち受け」に切り替えた。今後、改めて正式な日程や行事内容などを決める。

 実行委員会のメンバーで浄土真宗本願寺派・本光寺僧侶の八幡真衣氏は「東西別院だけでなく、行政や地域とも協力しながら盛大に勤めたい。休むことなく進めたい」と話している。

 法要に向け、実行委員会は懇志を募っている。問い合わせは0776-75-1903。

【用語解説】お待ち受け(おまちうけ=仏教全般)
 祖師の遠忌や宗門にとって重要な周年に向け、宗門内外のムードを高めるため、事前に行う法要や行事。「お待ち受け法要」などと称する。

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