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KING JIM tette

今日から始めてみます。

私はエンジニアなので、このnoteでは様々な商品の分解をしながら、それらについての考察が書ければ、と思っています。


では今日は、これ。KING JIMのtetteです。中国製になります。

新型コロナ対策で、非接触のアルコールディスペンサーはどこも品薄ですね。


ではいろいろとみていきましょう。

パッケージからです。F段、1色印刷ですね。印刷はフレキソ印刷でしょう。

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内容物です。本体とトレイ、取扱説明書です。

本体を抑えるパッキンは金型は使わずにポリウレタンを貼り付けで作っています。リサイクルを考えると、段ボールの折り曲げでもよいのではないでしょうか。本体も軽いから、その方がエコイメージが出せますね。

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電池駆動なのに電池付属なし、というのが潔いです。電池付属すると、残量がなくなっているとか、液漏れしたとかトラブル多いから、潔く付属しない、というのは感心します。


本体はこんな感じです。

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シンプルでどこにでもなじむデザインです。よく、業務用のディスペンサーはケンジントンロックがついているんですが、これにはありません。想定している置き場所は受付のテーブルなど、人が常時いるところ、という事なのでしょう。

タンク容量は500mL、液体アルコール専用で、市販のものを入れて使います。タンクは半透明で残量が見えるようになっています。全体的に良いデザインです。

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動作させてみるとこんな感じで液体を噴霧します。細かなミスト状ではなく、ちょっと荒い感じですね。これだと下にトレイを置いておかないと、下がびちゃびちゃになりそうです。

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下にティッシュを置いて噴霧をさせるとこんな感じです。実際には手はここより上に出すことになるので、ちょうどよい噴射の範囲ではないでしょうか。ちなみに、フルコーン型、30度といった感じでしょうか。

定格表示はここのみ。

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会社名、製品名、原産国のみです。電池の種類は電池ボックスに記載してあります。シリアルラベルもないのは思い切ってますね。雑貨のカテゴリなので、原産国さえあればよい、というのは正しいです。

では分解をしていきます。

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下からねじ5本でラフに分解です。筐体はPP製です。アルコールで使うことを想定しているため、ですね。

気になったのは

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筐体を止めているねじは皿ねじです。皿ねじを樹脂に使うと、穴部のウエルドが広がり経年で割れる、と教わったので、私は使わないんですよねー

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上から見たところです。左右の黒いところは電池ボックスです。

基本的に1枚基板です。両面基板ですが、片面にのみSMT実装、もう片側には手差しでIr-LED、フォトダイオードがさしてあります。

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上にあるのがフォトダイオード、下がIrLEDです。フォトダイオードは外来ノイズ軽減のための紫色です。そのため、筐体は透明のレンズを使っています。

IrLEDが放射した波長の光をフォトダイオードが検知をしたら、手が差し出された、と判断をしてモーターを動かしている、というフローです。

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回路、接続はこんな感じです。電源は単3電池4本を直列接続です。面白いのは、電池ボックスは共通部品を使っていることです。ここは端子止めの金型構造が複雑になるので、共通部品を入れることで金型費を削減したのでしょう。面白い考え方です。

メイン電源は2点のスライドスイッチで、上の黄色いものはギヤードモーターです。

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黄色のギヤードモーターを介して、その左にある白のポンプのシリンダーを上下に動作をさせることで、下から吸い込んだ液体を、製品の先端に送り込んでいます。

普通、モーターがついているポンプユニットを取り付けると思うんですが、tetteではポンプは自作をしています。結構大変だったのでは?思うに、圧力とサイズでよいものがなかったのかな?もしくは様々な液体が使われることを想定して、材質を決めたかったからなのか。ここはいろいろとノウハウがありそうでした。

モーターはここの製品ですね。

多分、BO-1です。

あと興味深いのは、ディスペンサーでミストで出すものは、ノズルは共通部品を使うことが多いのですが、tetteでは自作をしています。噴出のイメージがよいものが見つからなかったからでしょうか。

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真ん中の部品が肝で、上から来た液体がこの部品に当たることで旋回流になります。旋回流の先には小さな穴が開いているので、ここに向けて圧縮→穴から出たら解放されるとミストのように散らばりながら噴出されます。この形を決めるのに何度も試作をしたんだろうな。


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全体はこんな感じになりました。

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頑張っている点はいろいろとありましたが、特にこの筐体。

PPだと収縮率が高いので外観品質が良くないのですが、これ頑張っています。ヒケを感じず、良い設計と成型です。


EOF.

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