文果組インターン生による北先生インタビュー第5弾
文果組インターン生で「本多静六 若者よ、人生に投資せよ」(実業之日本社)の著者、「永遠の森」脚本の北康利先生にインタビューをさせていただきました。
Q. タイトルの永遠の森に込めた思いを教えてください。
サスティナビリティっていう意味は、例えば彼が神宮の森で考えたその5年後10年後15年後、年単位で非常に大きなスパンで考えた50年後100年後、彼は150年後まで考えていますから、そういう長いスパンで物事を考えていくっていうことを、これを僕は永遠の森っていうふうに表現しているんですね。
人生の幸福度・生きがいっていうのが高まる時っていうのがどういう時かっていうと、自分が計画したものが計画通りにいくとか、長期的な展望を持てるだとか、ものすごくいくつか幸福感が増進する仕組みってのがある。人間がこういうふうに生きたいな、こういうふうにやりたいな、とまず計画を持って、ちょっと自分が想像するよりも高めぐらいの計画を持ってそれが達成できたときに人間って喜びを感じるんですよね。彼ってまさに人生計画が必要だってしつこく言っているじゃないですか。永遠の森の彼の設計図っていうのは人生計画なんですよ。結局森林計画なんだから、同じようにこういうふうになればいいなと。本来のこの気候に合った最終形というのは周りの武蔵野を見ればわかるわけですね。最初は今の環境を守りながら、だんだん、枯れていったり、成長をしていったりして最後はまさにその武蔵野の地にふさわしい、その最終形にもっていくべく計画を立ててっていうのがやっぱり永遠の森づくりで、サステナビリティ、SDGsにつながっていく。それは何かっていうと自分の人間としての本来の持っている能力だとか環境だとかあるじゃないですか、これがまさに自然林なんですよ。本来自分だったらこういうふうになる自然林がやっぱそれぞれ違うはずなんですよ、環境が違うから。これが理想形だなっていうところまでは一足飛びには絶対行かないから、それを順番立てて計画立ててやっていたことがシビれますよね。そういうのを含めて僕は「永遠の森」というふうに表現しています。僕のイメージってルソーの言葉とも言われているし、開高健さんがよく引用する言葉なんですけど、「明日世界が滅びるとしても僕は今日リンゴの木を植える」って言葉があるじゃないですか。要するに150年後って静六が生きているわけがない、10年後20年後だって危うい。にも拘わらず次の世代のために彼は今自分ができることをやったわけですよ。自分が死んでも自分が生きた証というのは次世代に引き継がれるっていう実感を残して死ぬわけじゃないですか。ここで永遠性が出てくるわけですよ。で、永遠性を社会に対して付与するってことは絶対に最大の社会貢献ですよ。それを、僕は永遠の森って言葉で表現したかったんですよね。