掛川花鳥園スタッフのゆるゆる自由研究 【群れに馴染めない一人暮らしのインコ】
花と鳥とのふれあいが楽しめるテーマパーク、掛川花鳥園のスタッフによる、園内の鳥たちのディープな情報や楽しい実験をスタッフブログから集めたよりぬき連載。今回は「コガネメキシコインコのピスタチオ」に注目!
コガネメキシコインコとは?
コガネメキシコインコは、野生では南米の北東部に分布している鳥。メキシコインコの名がついていますが、実際にはメキシコには生息していません。大きな群れをつくる鳥で、種子や果実を食べて暮らしています。
当園ではインコのスイレンプールでお客さんがお持ちのごはんを虎視眈々と狙い、さまざまなイタズラをしスタッフを困らせている和ませ、集団生活をしているのですが、実はイベント会場でも1羽のコガネメキシコインコが生活しています。
その子のあだ名はピーちゃん、ピス。
本名は『ピスタチオ』です。ちなみに男の子。
いつの間にかイベント会場に現れ、グッズ化もされ、更にはイベントもこなしているピスですが、そうなったのには理由があります。
目がキュルキュルで全体的にパヤパヤしている可愛いインコ。掛川花鳥園に来たばかりの、まだ緑色が混じるピスタチオです。
コガネメキシコインコの幼鳥は全体的に緑色をしているのですが、成鳥になるにつれて黄色くなっていきます。
頭の中央の羽がずっと倒れていた状態で、割れているように見える頭と緑色から、『ピスタチオ』と名前がつきました。
来たばかりのころは自力でごはんを食べられなかったので、スタッフが挿し餌(人が親鳥の代わりにヒナにご飯をあげること)をし大事に大事に育てた結果、自分の事を人間だと思っている節がある、大変人に馴れたインコに成長しました。
大事に育てられたピスタチオですが、人に馴れすぎたためか、ほかのインコたちにうまく馴染むことが出来ませんでした。このままではインコのスイレンプールで生活していくのは難しいという判断に至り、イベント会場で一人暮らしをすることになりました。
ここでスタッフは考えました。
頭のいいコガネメキシコインコで、明るい性格で人によく馴れているピスタチオ……。イベントに出られるのではないか……?
試しに、人の合図に合わせて片足を上げる「はーい」を教えてみることにしました。
スタッフ「ピス、はーい」
すっ
自転車の模型に乗るのはできる?
ハンドルには乗りました(笑)
ほかにも「握手」や「頷き」をすぐにマスターした彼は、さらなる芸を身につけてショーに立つことになりました。
【インコのおまいり】
まず500円玉を人から受け取ります。
背伸びして、インコサイズのお賽銭箱に入れます。
ぶぉんっ!!と鈴を鳴らして神様にご挨拶。
神社におかれおみくじをお金を渡してくれたお客さんへと運びます。
たまにサービスで大量におみくじをもってくることも!
【お手紙交換】
これもおみくじと要領は同じです。
まずインコサイズの手紙を受け取ります。
手作りポストに投函します。
隣のベルを鳴らして
ピスタチオ郵便局に集荷してある手紙を選び出して持ってきてくれます。
たまに手紙を忘れてピスタチオだけが戻ってくることもありますが、スタッフがもう一度お願いすると、ちゃんと鳥に戻ってくれます。
一人で暮らすピスタチオですが、こうして人との交流があることで、楽しく過ごしています。ぜひ、ピスタチオのショーも見にきてください。期間限定ですが、お手紙交換ではピスタチオからのラブレターが入っていることがあるかも?
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バードウォッチング専門誌BIRDERでは,2021年4月〜2023年12月号まで,「掛川花鳥園出張ガイド」を連載していました。電子版などのバックナンバーで読むことも可能なのです。公式ホームページの総目録でどんな鳥が主役になっていたかわかるので、ぜひ推し鳥の号を探してみてください。