ブンイチ、文房具はじめました
文一総合出版ではオリジナル文房具の取り扱いを開始しました。現在、マスキングテープとクリアファイルが好評発売中! なぜ今、オリジナル文房具なのか。商品開発の担当者Tに話を伺いました。
T「ブンイチのミッションは、自然を見るよろこびと楽しさを伝えること。そして、生きもの好きの仲間を増やすことです。図鑑・雑誌・児童書などさまざまな書籍を通して、魅力を発信しているわけですが、本以外にも手段がないか考えました。営業部で話し合った結果、生きものをモチーフにした文房具がいいのではと意見がまとまったのです」
なるほど、文房具に生きものがあしらってあれば、日常的に使うのが楽しくなるし、グッズとしてコレクションするのにもよさそうです。商品化に至るまでにどのような経緯があったのでしょう。
T「文具展や雑貨展をまわり、どんなアイテムがいいか悩みました。アウトドア用のメモ帳、今治タオルハンカチ、ボールペン、シールなど候補はいろいろありましたが、各社からの見積もりも考慮しながら、実用性の高いマスキングテープがいいのではという方向になりました」
マスキングテープ制作会社の担当者が、生きもの好きでブンイチファンだったことも好印象だったとか。
T「その担当者さん、名刺を渡したら[すげー、文一さんですか!? ぼく、『イモムシハンドブック』と『昆虫の食草・食樹ハンドブック』を持ってますよ! すげー、すげー!]と、まるで芸能人にでも会ったようなハイテンションだったんです(笑)」
その担当者の対応は迅速で、以後のやり取りもブンイチファンとして、とても親身になってくれたそう。初めてオフィスを訪れたときは、約束の30分前(!)に到着。せっかくなのでと会社にいたイモムシ宣伝部長を披露したら、大喜びで写真を撮っていたと言います。
ブンイチのイモムシ宣伝部長3体。フェアなどで書店に派遣されます。
こうしてマスキングテープの商品化は決まったものの、どんな絵柄にするかで大いに悩むことになりました。ブンイチを代表する生きものといえば、野鳥とイモムシ。『イモムシハンドブック』シリーズを書庫から取り出してきて、リアルなイモムシ大行進なんておもしろいんじゃないなどと盛り上がる場面もあったそうです。
T「ブンイチらしい案なのですが、マスキングテープの購買層は女性中心と想定していたので、イモムシどうなんだろうという疑問が湧いてきました。複数の友人に企画について意見を求めたところ、『絶対ムリ!』と強く拒絶され、これは難しいかなと思いました」
その後、編集部にも意見を聞きながら、社内アンケートを実施。水谷高英さんのイラストの魅力を活かしたカバーデザインが評判の、『野鳥手帳』をモチーフにすることが決定。方向が定まりました。
T「水谷さんのイラストの魅力を最大まで引き出そうと思い、『フィールド図鑑日本の野鳥』『野鳥フィールドスケッチ』『野鳥フィールドノート』のイラストも使わせていただいて、野鳥だけでなく花や木の実もあしらったデザインに仕立てました」
こうして完成したマスキングテープは3柄で、それぞれ色違いになっています。
野鳥手帳マスキングテープ(3柄)
野鳥手帳マスキングテープ(2)たんぽぽ アホウドリほか10種
マスキングテープと同時進行で商品化に着手したのがクリアファイル。こちらも評判の『野鳥手帳』のデザインを活かしたものなど、4柄を商品化しました。
T「仕事用なら迷わずA4サイズなのですが、今回のクリアファイルは女性がプライベートで使うことを想定したもの。カバンに入るサイズということでA5判にしました」
なるほど、この大きさならカバンに収まるし、チケットを入れたりマスク入れにしたりと使い勝手がよさそうです。
『野鳥手帳』のほか、過去に商品化したA4クリアファイルの『憧れのヒタキの仲間』の在庫が僅少ということで復刻の意味を込めて採用されました。さらにトートバッグにもなった『フィールド図鑑 日本の野鳥 第2版』カバーのサンコウチョウのイラストを採用するなど、ここでも水谷高英さんのイラストが大活躍。
T「3柄より4柄のほうが単価が下がることから、あともう1柄作ることに。絵柄はすぐに決まりました」
営業部満場一致で即決したのが、佐藤圭さんの『エゾシマリス』の表紙。こんなに入るの!?というほどパンパンに頬袋を膨らませたエゾシマリスの写真です。
これはたしかにかわいい……
文一オリジナルクリアファイル(4柄)
こうしてバラエティ豊かなブンイチ文房具が誕生しました!
ブンイチオリジナル文房具は、文一総合出版ウェブサイトのほか、バードウォッチンググッズ専門店、ホビーズワールドで好評発売中です!
ホビーズワールド店内の様子
Author Profile
高野丈(編集部)
文一総合出版編集部所属。自然科学分野を中心に、図鑑・一般書・児童書の編集に携わる。その傍ら、2005年から続けている井の頭公園での毎日の観察と撮影をベースに、自然写真家として活動中。井の頭公園を中心に都内各地で自然観察会を開催。得意分野は野鳥と変形菌(粘菌)。