掛川花鳥園スタッフのゆるゆる自由研究 【つばさでうつ】攻撃
花と鳥とのふれあいが楽しめるテーマパーク、掛川花鳥園のスタッフによる、園内の鳥たちのディープな情報や楽しい実験をスタッフブログから集めたよりぬき連載。今回はコブハクチョウを紹介します。
つばさでうつ
バードスタッフの多賀です。突然ですが「つばさでうつ」攻撃をご存知でしょうか?
某ゲームシリーズに出てくる技なのですが、ゲーム内エフェクトを見ると「風切り羽で相手を思いきりはたく技」に見えます。
僕が好きなモンスターもよく使っていました。インファイトが必殺技です。
実際の鳥たちも翼で攻撃をするならイラストのような感じ……だと思っていました。
コブハクチョウに出会うまでは……。
衝撃の実体験を漫画にしたので読んでください。
解説すると、コブハクチョウが殴ってきたのは翼の中でも「翼角」と呼ばれる部位です。
ヒトでいうと親指の骨近くにあたる場所で、鳥の第1指、手根手中骨などがある部分です。
「鳥の骨は飛ぶために軽くできている」などといわれていますが、コブハクチョウくらい大形の鳥になると非常に硬い!岩石のようです(体感済み)
それを武器にするコブハクチョウはこれで外敵からヒナや巣を守っていると思うととても頼もしく感じます。
コブハクチョウ成長記
ここからはバードスタッフ丸山のコブハクチョウの雛の成長記です。
さて、多賀を襲った強靭な翼で守っているのはどんな雛かというと、こんな姿。
孵化直後のふわふわしたかわいらしい雛です。
なお、飼育管理のために撮影したり雛を触ったりしていますが、もし野鳥の鳥の巣を見かけても近づくのはストレスになるので絶対にやめましょう!
このときの巣は羽を使わず、草で作られていました。孵化したのは5羽で、ほかの卵は中止卵といって、卵の中で成長が止まってしまい、孵化しませんでした。
このヒナも約1か月後にはこんなに大きくなります。
そこから半年、水鳥の成長は早く、12月にはほとんど大人の体格になっていました。
まだ頭や翼の下には茶色っぽい羽が残っています。水鳥は成長が早く、この前の週くらいまではちょうどカフェオレみたいな色だったので、撮影を楽しみにしていたのですが、あっという間に白くなりました。置いてけぼり。
手前が大人の鳥で、奥が若鳥です。羽の色だけでなく、嘴の色もオレンジ色ではなく、灰色がかっています。
さらに時間を進めて翌年4月の姿。
この写真の向かって右側が若鳥です。羽はほとんどが白くなりました!一見大人と区別がつきませんが、嘴はまだ色味が暗いまま。嘴が大人の色になるのは最後のようです。
お尻も真っ白になりました。
掛川花鳥園のハクチョウの池で会うことができるので、大人と子どもを見分けるチャレンジなどぜひしてみてください!
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掛川花鳥園
掛川花鳥園は「花と鳥とのふれあい」が楽しめるテーマパークです。
広大な敷地の中に大温室やスイレンプール、池や牧場などを備えています。
冷暖房完備のガラスハウスは、夏涼しく冬は暖かく、全天候型なので雨の日でも安心。一年中快適な空間で花や鳥とのふれあいをお楽しみいただけます。
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