掛川花鳥園スタッフのゆるゆる自由研究 【卵のいろいろ】
花と鳥とのふれあいが楽しめるテーマパーク、掛川花鳥園のスタッフによる、園内の鳥たちのディープな情報や楽しい実験をスタッフブログから集めたよりぬき連載。
卵。
それは命の源。
掛川花鳥園では、さまざまな鳥の繁殖にも取り組んでいます。今回は、卵と孵化について紹介します。
孵化までの道のり
当園では、親鳥に抱卵を任せることもありますが、さまざまな事情で卵を回収して孵卵器で孵化に取り組むことがあります。このとき、温度や湿度の管理に加えて「転卵」をする必要があります。
転卵とは、文字通り卵を転がすこと。数時間おきに転がさないと、孵化率が低下してしまうのです。
これが卵を暖める機械の孵卵器です。自動転卵機能がついていて、陽気な音楽を奏でながら軽快に転卵してくれます。
さて、温めはじめて1週間くらいしたら、検卵をします。
検卵とは、卵の中を確認する作業です。とはいっても、割りません。
卵は100%孵化するわけではありません。中には最初から発生しなかったり、途中で成長が止まってしまう卵があるので、定期的に確認する必要があるんです。
検卵はこれを用いておこないます!
検卵用のライトです。暗いところで卵に先端を当てて点けると……
血管が見えた!順調に成長していることをこうして確認します!
その後、卵を内側からコツコツ叩く「嘴打ち」が聞こえたら、孵化はもうすぐ。
誕生の瞬間。嘴が見えています。小さくてかわいい!
この卵はオシドリでした。ちょうど5〜6月が雛が生まれる時期です。
雛は孵化直後は体が濡れていますが、数時間して乾くとこの通り!
卵黄が鳥の形になるのは不思議な感覚です。
巨大な卵の使い道
当園で見られる卵の中でも見応え抜群なのがエミュー。
エミューは繁殖期である冬の間、卵をたくさん産みます。
すごく派手な色ですが、エミューは草原の草むらに卵を産むので、この緑色が草と同化して見つけづらくなるのです。
実際に見てみましょう。下の写真の4箇所に卵が隠れています。
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正解はここ!
草むらの卵を上から見てみましょう。白より緑の卵のほうが目立たないのがなんとなくわかるでしょうか。
さて、エミューはたくさん卵を産むのは上述の通りなのですが、ある年は23羽合計で約230個もの卵が産まれました!メスは3〜4日に1つ卵を産み、1羽で20個も産むことがあるそうです。
飼育スペースが限られているため、とても育てられません。無制限に殖やせば、雛が大人のエミューにいじめ殺されてしまう可能性もあるからです。でも、ただ捨てるのはもったいない……!そこで、繁殖させない卵は回収して、ワークショップやグッズとして活用するようにしています。
当園では、フクロウ展示室前に卵が展示してあります。
これは種類によって違いがあり、白色が多いですが、色付きや模様つきのものもあります。ぜひいろいろ見比べてみてください。
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BIRDER6月号の連載テーマは「カラカラ」
ハヤブサの仲間であるカラカラたちを詳しく紹介しました。
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掛川花鳥園
掛川花鳥園は「花と鳥とのふれあい」が楽しめるテーマパークです。
広大な敷地の中に大温室やスイレンプール、池や牧場などを備えています。
冷暖房完備のガラスハウスは、夏涼しく冬は暖かく、全天候型なので雨の日でも安心。一年中快適な空間で花や鳥とのふれあいをお楽しみいただけます。