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シマエナガモチーフレシピの「作り方」
Auther:BIRDER
ブンイチでは野鳥観察の専門誌「BIRDER」を毎月刊行している。私はその編集部に所属している。
BIRDER2022年2月号の特集は「エナガ」。観察方法や野外で楽しむポイントを掲載することは決まったが、何かこの「かわいい鳥」のかわいさを更に別の切り口から紹介できないものか……。そんなことを考えながらTwitterを見ていると、リツイートでおもしろいものが回ってきた。シマエナガのオムライスだ。
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半端なくかわいい。
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間違いなくかわいい。
このオムライスの写真を投稿したのは「ぼく、シマエナガ。」というアカウントを運営しているやなぎさわごうさん。
やなぎさわさんは日々、シマエナガのかわいい写真を投稿したり、グッズやシマエナガモチーフの料理を紹介していて、座右の銘は「シマエナガしか勝たん」。
これほど今回の特集にぴったりな人はいない!と、やなぎさわさんにBIRDER2022年2月号のグラビアページとシマエナガモチーフのレシピ、グッズ紹介記事という欲張りなお願いをしてみたところ、OKのお返事が!
そうして始まった特集記事作り。この記事では、特集掲載の「シマエナガのみぞれ鍋を作ろう!」にたどり着くまでの紆余曲折を写真たっぷりで紹介したい。
かわいいものが多すぎる
今回は材料から、シマエナガの顔や体をどう作っているのかを紹介するメイキングだ。真似すればすぐに読者も再現にチャレンジできるようなものがいい。
編集部からの要望はたった1つ。
「1ページで紹介できるくらい手順がかんたんで、料理が苦手な人でも真似しやすいもの」
これを踏まえて、やなぎさわさんがふだんどんなものを作っているのか教えてもらった。
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なにもかもがかわいい。正直4ページくらいほしい。
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迷った末、オムライスの印象が強かったのでやなぎさわさんにレイアウトのイメージを伝えるラフではオムライスを描いたが、実際に作ったことがなければどれくらい手がかかるのかはわからない。条件に当てはまりそうなレシピを挙げていってもらうことにした。
やなぎさわさんからまず提案してもらったのは「おにぎり」のシリーズだった。特にシマエナガにリーゼントのようなトッピングを乗せた「ヤンキーおにぎり」は大人気で、作るのもかんたんなのでおすすめだそう。
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羽を学ランに見立て、リーゼントを乗せたシマエナガ。
確かに手順も複雑ではなさそう。ただ、それゆえに海苔を切って貼れば「シマエナガ」をつくる作業が終わってしまう。これでは鳥好き読者は少し物足りないかもしれないし、さすがに1ページもたないかもしれない。泣く泣くボツに。
おにぎりに代わるものとしてこちらで提案してみたのは「しらたま」だ。
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夏ならフルーツポンチに入れてよし、冬はぜんざいにいれてもよしとアレンジ無限!見た目もかわいくて楽しい!
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しかし工程は茹でるだけ。おにぎりと同じ理由でボツに。
おにぎり単品では単純すぎるのなら、お弁当ならどうだろうという案もあった。
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一つ一つは簡単でも、複数のおかずを扱うとなると今度は1ページからはみ出てしまうかもれない。
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簡略化すると2秒で終わってしまう。
冬にぴったり、一人用鍋
今回は料理中の手元を撮影してもらわなければならない。ほかの原稿もお願いしているので、あまりもたもたはしていられないと思っていたときに、「みぞれ鍋」にたどり着いた。発売日は1月15日。寒いのでお鍋は時期的にもぴったりだ。
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当初の案。人参と肉団子、シマエナガ1羽のみぞれ鍋。
「みぞれ鍋」とは、大根おろしをたっぷり入れて、その水分で鍋を煮込むもの。その大根おろしを工夫することで、かわいいシマエナガが出来上がる。立体的でかわいらしく、程よい作りごたえがありそう。
こうして、さらにブラッシュアップを重ね、今回BIRDERに作り方を掲載した「シマエナガのみぞれ鍋」がこちら!
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かわいい!そのうえ1作目よりリアル!
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本物のシマエナガの写真と見比べてみよう。よーく見ると、どちらもまぶたが黄色になっている。地味なポイントだが、これがあるのとないのとでは「シマエナガ」っぽさが違う。ほとんどの人にとってどうでもいいポイントかもしれないが、これがないと途端に漫画っぽくなり、あるとリアルっぽく感じるから不思議だ。
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背中の微妙な茶色もお醤油で再現されている。ほかの具材に見えないが足もひじきでちゃんと作られていて、見えないところにもこだわりを感じるでき上がりとなった。
この鍋の作り方の全容はBIRDER2022年2月号にて紹介中!
シマエナガはもちろん、エナガや世界のエナガなど、かわいい鳥が目白押しの特集号をお見逃しなく!
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