掛川花鳥園スタッフのゆるゆる自由研究 【諦めない男】
花と鳥とのふれあいが楽しめるテーマパーク、掛川花鳥園のスタッフによる、園内の鳥たちのディープな情報や楽しい実験をスタッフブログから集めたよりぬき連載。今回は「キンケイ」に注目!
キンケイとは?
キジ科で、主に中国南西部からミャンマー北部にかけて分布する鳥です。標高900〜 1100mの山地に暮らしていて,ササやシャクナゲの密生した藪のような場所を好んでいます。
雄が派手なのは日本のキジと同じです。雌はちょっと地味ですが、この穏やかな表情や、丸いフォルムから飼育員の間では雌の人気も高いです。
猛アピール
このキンケイ、当園ではこの赤色と黄色の雄が【インコのスイレンプール】で、雌は【エボシドリとヘラサギの広場】で暮らしています。
雌が気になるのか、よく雄が【エボシドリとヘラサギの広場】に繋がる扉の前でウロウロしています。扉には、「キンケイ♂くんへ エボシドリとヘラサギの広場へ行かないでね」のポスターを掲示しています。よく読んでいるようですね、偉い偉い。
遊びに来られた際は、隣のエリアに一緒に入っていかないようお気を付けください。
赤い彼は立ち入り禁止のエボシドリとヘラサギの広場には、別の雄のキンケイが暮らしています。
体の色が全体的に黄色いキンケイです。赤い色のキンケイと同じ種類ですが、飼養品種で俗に「オウゴンキンケイ」と呼ばれます。
このオウゴンキンケイくん、雌に猛アピール中。上の写真の縞々の飾り羽を広げているのがキンケイの求愛です。時には相手の前に颯爽と回り込んでアピールをしますが、人間から見るとそのしつこいことしつこいこと。
メスが走り出すと同時にオスも走ります。このオスの顔、絶対に逃すまいという気合が滲み出ています。
雄の熱意と逃げる雌の必死な攻防です。
たとえ雌に興味をもたれなくても
諦めずに!
前へ!!
見て!!!と回り込みます。
雌も雄のあまりの速さに止まってしまっています。
そして再び雌を追いかけます。……粘り強い。
脚をピンと伸ばし、思いっきり飾り羽を見せても眼中に無いようです。
あまりにも無視をされすぎていて、だんだん雄がかわいそうになってきました。いくら振られても無視をされても諦めないそのメンタル。強すぎますね。私ならとっくにメンタルはズタボロです。
彼の辞書には「諦める」という文字はないのかもしれません。
押してダメなら、さらに押すのみ!のキンケイの求愛です。
※現在はオウゴンキンケイの雄は展示しておりません。
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バードウォッチング専門誌BIRDERでは,2021年4月〜2023年12月号まで,「掛川花鳥園出張ガイド」を連載していました。電子版などのバックナンバーで読むことも可能なのです。公式ホームページの総目録でどんな鳥が主役になっていたかわかるので、ぜひ推し鳥の号を探してみてください。