写真表現の基礎中の基礎、モノクロームのフィルム写真を根本から学ぶ成田光房
私が10代後半から存じ上げている写真家・成田秀彦氏の写真私塾です。成田氏は1960年代から作品を作り始め、現在に至るまで作品を制作しつづけています。
その作品はモノクロームのデッサン的作品。いわば写真表現の根本から、フィルムの現像、焼付、引伸ばしまで、その教育課程を個々の受講生に合わせて作っていきます。写真表現とは、ともすれば、モノの画像が写ることの喜びがあまりに大きいため、「ホンワカした何も語らない『作品』が出来てしまう危険が実に大きい、極めて危険な表現様式」だと、私は考えています。
今の時代、その技術や方法を的確に伝える人がどんどん少なくなっていくフィルム写真ですが、その基本技術を個々に合わせて伝えていく稀有な場所がここ、三鷹にあります。
デジタル写真であっても、フィルム写真の技術や感性は決してないがしろにしていいわけではないのです。
写真術の始祖、ダゲールやニエプスに少しでも近づくためにも、この私塾で学ぶことは、写真表現をはるかに奥深い、豊かなものにしてくれると思うのです。