
最終版のカメラをなぜか持っている
カメラは進化する。デジタルでもフィルムでも。デジタルはまだ進化途中だが、フィルムカメラだとすでに歴史が終わっているので、カメラの進化の道筋がとても分かりやすい。
例えば、国産レンジファインダーのフィルムカメラの場合、私の考えによれば、日本製の最終進化形はキヤノン7sである。L39スクリューマウントでの最終形だ。レンズはF0.95が付くし、ファインダーはターレット式に35mm、50mm、100mm、135mmに切り替えられるし、露出計はCdsだし。







ライツミノルタやベッサ、コニカヘキサーなどは、遅れてきたレンジファインダー機が思い出したようにポツンポツンと登場しただけという感じがして、同時代的にレンジファインダー機の進化を行っていない気がするのだ。



もう一つの最終形は、ハーフサイズ、オリンパスペンの最終形D3である。F1.7の明るいレンズで、これ以降ペンシリーズは一眼レフへと移行していくのである。

ピントは目測式。近距離での正確なフォーカス合わせはちょっと難しい。がっつり機械式のマニュアル機である。使いこなすのはちょっと難しいが、チビッコの可愛さで許してしまおう。


2台を比較して並べるとこんな感じだ。

キャノン7Sのレンズがフジノン50mmF2.8なのは、ちょっとしたご愛敬で、個人的にはキャノンレンズがあまり好きではないのである。偏見ですみません。
こんな最終版のカメラがなぜか揃ってしまった。行きつくところまで行きついた、という感じが安心感を生むのか、メカニック的な煮詰め方に惹かれるのか、完成度の高さなのか、なぜかは分からない。でも愛着が湧くんですねー。
しかし、これが一眼レフとなると、もっと事情は複雑化して、電気回路を組み込むという決定的な技術革新が行われるわけで。露出計の内蔵、自動露出機構の組み込み、次にフィルム巻き上げの自動化、巻き戻しの自動化となり、ピント合わせの自動化=オートフォーカスという機構が入ってくる。そして感光材料=フィルムを電気信号としたのがデジタルカメラということになるだろうか。
だから一眼レフの進化の究極形とは何かが、私には分からないのである。機械式一眼レフの究極形は、多分キャノンF-1かニコンF3ぐらいになるんではと思っている。それ以降の進化の究極形とは何か?私には分からないのである。

こんなカメラを愛でつつ、撮りつつ、ポツポツと楽しんでいるのである。