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オギノって誰
コム・デ・ギャルソン製の無地のノォトブックに出てくるオギノという男が度々登場する。ナブ・ノエルと言うアパレルにいたらしい。
後輩だと思うが、顔が浮かばない。ノォトに度々登場して、その度に飲みに行ってのに、顔さえ浮かばない。
薄情な奴だと言われても、浮かばない。具体的に誰だか分からない。他の会社にいることは確かだけど、思い浮かばない。一年ぐらい、オギノの名前が出てくる重要人物なのに、顔も名前も浮かばない。
不思議なほど記憶から抹殺されてしまった男だ。そんなに会っていたのに、忘れるほど、印象が薄い。多分、気が合って、本音で喋れるタイプだ。
理化学研究所によると、記憶に関して、
『形成されてから間もない記憶を近時記憶、形成から長い時間が経った記憶を遠隔記憶という。』そうだ。
『遠隔記憶の想起時には大脳皮質と海馬の間に多様な情報伝達があることを明らかにし、遠隔記憶の多重痕跡説がある』とも言われている。
だから、脳に刺激することで、思い出せる可能性がある。そうまでして、思い出すほどの男でもなさそうだ。ノォトにあった、佃、都、安田、福原、マキなどと言う人物も記憶にない。
記憶と言うものは、あやふやで、正確性に欠ける。犯罪でも起こったら、大変な間違えを起こす。
この話は、フィクションだから、実在しない人の話。だから、人名が出ても大した問題はないのだが。
ところで、オギノって誰。
謎が深まるばかり。隣り町住んでいたりして。