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鰯の頭も信心から

正月に相模鉄道に乗ったら、出雲大社相模分祀の初詣の広告が、デジタルサイネージに載っていた。謙也は、驚いた。なぜなら、Go to トラベルを利用して、出雲大社に行こうと思っていたが、生憎中止になった。そんな折に、相模分祀の広告を見た。初めて相模分祀の存在を知った。

胸騒ぎがして、妻の優子に広告に目くばせして、行きたいの無言のメッセージを送った。何しろ、二人で島根県まで行こうとしていたのだから、「塩梅が良すぎるよ。向こうからやって来たみたいね」と大喜びの優子だった。

出雲大社相模分祠にホームページには、こう書かれていた。

『出雲大社相模分祠は、明治21年(西暦1888年)に、島根県御鎮座の「出雲大社」第80代国造・千家尊福公に請願して、当地累代の神職であり、報徳家であった草山貞胤翁が、出雲の大神の御分霊をこの地に鎮祭申し上げ、大国主大神の御神徳を関東地方に広めるための要処としたのを創まりとします。
当初の御鎮座地は現社地から離れた渋沢峠でしたが、昭和50年(西暦1975年)に現社地に御遷座なさいました。』

そんな前からあったのに、知らなかったのは、神奈川県には、「寒川神社」「鶴岡八幡宮」「川崎大師」など有名ブランドが多いために、その他大勢は知らないのかもしれない。

その他にも、「大山阿夫利神社」、関東のお伊勢様と呼ばれる「伊勢山皇大神社」罪や穢れを洗い流してくれる神聖な場所として古代より信仰されている「瀬戸神社」、「江島神社」、芦ノ湖に面した朱色の鳥居と富士山が絶景の「箱根神社」、十一面観音像を祀る「長谷寺」、商売繁盛の「銭洗弁財天宇賀福神社」、芦ノ湖の九頭龍伝説のある「九頭龍神社」、真鶴の「貴船神社」、「平塚八幡宮」などがある。

まるで、神社の紅白歌合戦みたいに初詣スポットが多い。謙也も初詣でなくても、ドライブなどで行ったことがある場所がほとんどだ。出雲大社が他の神社との違いは、参拝方法だ。普通の神社は、二礼、ニ拍手、一礼だが、出雲大社は、ニ礼、四拍手、一礼になる。

また、大社とは、文字通り大きな神社という意味で、明治維新以前は、「大社」と言えば出雲大社だけだったそうだ。しかも、出雲大社の呼び名は、正式には「いづもおおやしろ」という名称。

またまた、予備知識だが、大神宮とは、伊勢神宮のことをいう。神宮は、皇祖(こうそ)や天皇が祀られている特定の神社のことだそうだ。

歴史が長い分、色々なことが起こっている。現在では、神社には一般的に自然を神化し祀られたものと、天皇や皇室の祖先、人々のために偉業をつくした人物などを祀ったものとがある。現在では一般的に、神社の規模が大きいものが大社とされているそうだ。

出雲大社相模分祠を訪ねて、荘厳な感じを受けた。神という存在を信じない訳もないが、信仰心が深いとどのようなものでも尊く思えてしまう例えで、「鰯の頭も信心から」がある。謙也はそれが好きだ。信じる者は救われる。コロナ禍の時期、しみじみそう思う。

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