飛訳〜第4回”Spring haz come.“〜(suzukishika)
夏目漱石が"I love you"を「月が綺麗ですね」と訳したように。
あるいは、戸田奈津子のアクロバティックな字幕のように。
「飛訳」とは、簡単な英文をいかにジャンプして訳せるか、
それだけにフォーカスして楽しもうじゃないかという新しい文芸形式である。
専用スレッド http://6208.teacup.com/n00/bbs/t4/l50
第4回のお題は
"Spring has come."
いろんな春が見つかったようです。
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Spring has come.
冬眠完了!
(茂具田)
Spring has come.
そろそろ働いてみよっか
(ちかぞお)
Spring has come.
暦の上では…な。
(ごり田もう)
Spring has come.
窓の色が変わりました
(正夢の3人目)
Spring has come.
二日目のカレーに当たりました。
(流し目髑髏)
Spring has come.
猫サイレンが鳴っていますね。
(井沢)
Spring has come.
矯正とれたんだね。
(ヘリコプター)
Spring has come.
らしくないね。
(ビールおかわり)
Spring has come.
アナタの頭は蝶々が飛んでいますね
(TL125)
Spring has come.
お母さん、パーマあててん。
(トミ子)
Spring has come.
丸坊主にして下さい
(いがそ君)
Spring has come.
『桜』2016/4/6発売
(義ん母)
Spring has come.
鼻もかむ。
(井沢)
Spring has come.
皆でタケノコ盗りをした。
(TOKUNAGA)
Spring has come.
ともだちんこ!
(トミ子)
Spring has come.
恋人ができた気がする。
(井沢)
Spring has come.
円満離婚。
(トミ子)
Spring has come.
ありがとう文春!
($UZY)
Spring has come.
脳だけの存在になっても、一年が早い早い
(井上だいすけ)
Spring has come.
少し歩きませんか?
(正夢の3人目)
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前々回(Let it be.)・前回(Boys, be ambitious.)と有名フレーズかつ命令文が続いたので、今回は決まり文句だけどフツーの文にしてみた。そして、初の三人称文でもある。
春という季節は喜ばしく迎えられることが多く、それでいて夏のようにポジティブ全開というわけでもない。節目の時期であるからか「悲喜交々としつつも全体としては前向き」みたいな独特のテンションがあるように思える。飛訳家のみなさんは今回、そのあたりの機微をうまいことすくい上げてくれたのではないだろうか。ここから新しい季語が生まれたりしないかな。「脳だけの存在」とか。
担当はsuzukishikaでした。
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