星のうた (ボーフラ)
モノローグ
「溜息をつくと、幸せが逃げるって言いますよね。あたし、そうは思わないの。
溜息で逃げるくらいの幸せだったら、あたし、いらない。
そんなもの、他人に呉れてやりますわ。
でも…あの人は来ない」
女、深く静かな溜息をつく。
満天の星空。流れ星ひとつ。
「ああ…流れ星。流れ星に願いをなんて、あたしはそうは思いませんの。
だって、流れ星なんて、すぐ消えてしまうじゃないの。
すぐ消えてしまうような願い事なら、あたしはいらないわ」
暗転
女、刑務所の中。鉄格子を持ったまま、無表情。
看守来る。
看守「お前…」
女「あなた…」
鉄格子越しに、抱き合おうとする二人。
「暴れ馬だー危ないぞー」
大量の暴れ馬が走ってくる。男は踏み殺され、女は鉄格子に首が挟まって死ぬ。
暗転
女、再び、満天の星空の元。男もいる。
女「そんな夢を今見たわ」
男「…」
男、溜息をつき、そのまま崩れ落ちて泥の塊になる。
女はそのまま、天馬になって、星空をかけ、ペガサスの星座になる。
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