太陽系ドラフト会議 (大伴)

宇宙空間に円卓が並んでいる。
(司会の声、徐々にボリュームアップ)
司会:「…第一巡選択希望選手、水星。 菊池雄星。花巻東高校。」
司会:「第一巡選択希望選手、火星。菊池雄星。花巻東高校。」
司会:「第一巡選択希望選手、海王星。 菊池雄星。花巻東高校。」
会場がざわつく。
司会:「菊池選手には6惑星が競合いたしました。これより抽選にうつります。」
監督たちがゆっくりと立ち上がる。
半透明の監督、浮かんでいる監督、5mmくらいの監督。いろいろな監督がいる。
最後の監督が瞬間移動で壇上にあがると同時に、ジェル状の女性が抽選箱を運んでくる。
さまざまな形状の触手が抽選箱につっこまれ、クジがひかれていく。

司会:「それでは、開けてください」
各監督がクジを開封し、会場が静まりかえる。

渡辺久信監督がガッツポーズをする。
(同時に、会場がものすごい拍手と口笛で包まれる)
司会:「菊地選手への交渉権は地球が獲得いたしました。」

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場面が花巻東高校に切り替わる。
会見席の中央に坊主頭の菊池雄星が座っている。

記者:「地球に決まりましたが、今の率直な気持ちを。」
カメラのフラッシュが激しくたかれ、菊池が口を開く。
菊池:「実家に近いので、よかったです。」

<おしまい>

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