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世界各地からメッセージをもらった

久しぶりに美術館へ行ってきた。
「旅×絵」の案が浮かぶような展覧会に行きたいなと思ったのがきっかけ。

素敵な作品に出会えた。
考えが膨らんだ。


何かを鑑賞した後に感想を語るのは、あまり得意な方ではない。
でも、苦手意識を持っていることだからこそ、今回は思ったことを素直に書いてみようと思う。
自分の意見を言う練習だと思って書く。あくまでも楽しみながら。

森美術館のアナザーエナジー展へ行ってきた。

国際問題や社会問題を、優しい気持ちと力強い想いで訴えかけているようにみえる作品が多く、そのような作品に特に惹きつけられた。
それから、作品自体を訴えかけるツールとして製作されたものや、二度と同じ過ちを繰り返さないよう記憶を受け継ぐためのツールとして制作されたものもあるようにみえた。

言葉にするには鋭すぎる、言葉にできるほど単純でもない。それでもどこかに吐き出したい強い想いがある。そんな想いを、作品にのせて表現しているのかも。

ブラジル生まれのアンナ・ベラ・ガイゲルさん

リオデジャネイロの政治活動に積極的に関与し、軍事独裁政権を公然と批判していました。本作は、日々の弾圧の恐怖や政治的動乱から距離をとり、どの国の領土でもなく政治的利害関係のない中立的な場として月をモチーフとしました。

この作品には上記の様に説明が付いていた。
誰の領土でもない月を描いて、批判的なメッセージを伝えている。

その時代をその国で生きた人だからこそ伝えられるメッセージがあり、またそれは作品に込められた想いに耳を傾けた人だけに届くようになっている。言葉を用いてどんな人にも伝えようとするのではなく、作品を通し“メッセージを受け取ろうとした人”のみに強く静かに伝えているようだった。

幾何学的な絵を描くカルメン・ヘレラさん

「少ない方が豊かである。」
「完成したものから何かを取り除くことでより良くなる。」
と語っており、大量消費の資本主義社会に疑問を投げかけているのかなと思ったりなんかした。

また彼女は、「現実の混沌とした社会に秩序を与えたい」という想いを直線に込めているのだそう。
強い想いを語る人が、なぜその想いを持つようになったのかを知れたときが楽しい。
一見しただけでは、この色を選んだ理由も、なぜここで線を曲げたのかも私にはわからない。だけど、作者の想いや経歴を知ると、ちょこっとだけわかった気になれて、こういうこと考えて描いたのかなと想像を膨らませて鑑賞を楽しめる気がする。作者の概要を読んでから再び同じ作品をみると、作者を知る前よりも作品からの想いが強く伝わって来たような気がした。


これはいろんな作品をみていて思ったことだけど、
“言葉”にしようとすれば誰かにとってはとがって聞こえてしまうかもしれない強い想いも、
見ようとする人にしか伝わらないような“作品”というかたちで表現するからこそ、強く柔らかく心に入ってくるんだと思った。





アイデンティティ

16人の女性アーティストの展覧会。

出身地域が幅広く、世界中からバランスよく集められているといった印象を受けた。
戦争や紛争の中を過ごしたアーティスト、移民を間近でみてきたアーティスト、留学や移住をして異文化生活やマイノリティな生活環境での経験があるアーティストなど、経歴も様々。
その人だからこそ、伝えられるメッセージや、表現できることというものを存分に生かしている作品ばかりだった。
アーティストのアイデンティティを生かした作品と言えると思う。

つまり、どこで、なにを、誰が表現するかによって、作品がより強い意味を持つのだと思った。

じゃあ、わたしは、どのアイデンティティを強調しながら何を発信しようか?(出来上がった後にじっくり考えてどの経験からきた思想なのかって気づくと思うけど)
伝えたいことや、言葉よりも形の方が的確に表現できると思う想いなどを自分らしく描いてみようと思った。
たとえばわたしは、ずっと前から美しいなと思っている、「綺麗の裏側の見えない努力」を作品で表現したい。

いろんなアーティストを見ているうちに、
いままでもこれからも、経歴や環境、経験、感じることなどが全て同じ人は一人もいないということを実感した。だから、過去も未来も感じたことや抱いた想いを、誰だって自分らしく発信していいんだ、と勇気をもらえた。


しかし14人目、ミリアム・カーンさんのコメントを読んだとき、アーティストの背景や固定観念ばかりに気を取られて純粋な目で作品を見なくなってしまってはいけないとも思った。

それが一体何なのかを知らずに、
作品を見ることが
できなくてはなりません。
アートは全ての人にとって、
言語を介さず
理解されるべきなのです。

ミリアム・カーン

解説に固執しすぎず、自分の感性で作品をみることも忘れないでねと言われたような気もした。





最後に

芸術は人の心を癒したり、ほぐしたりすることができるんだと実感した日だった。

美しい作品に出会える濃い時間を過ごせて、入場料500円はお得すぎません…?!学生のうちに美術館はじめ、鑑賞系いろいろ行ってみたいなと思った日。


美術系の学校行っているわけでもない素人ですが、読んでくれてありがとうございました。🙇🏻‍♀️🙇🏻‍♀️

○最後に感想をつぶやいてみる○

一人で美術館行くの地味に初めてだったけどよかった。
写真はもっと撮っておけばよかった。
現代アートもっと知りたいと思った。
なんだか元気が出た。
絵を描きたくなった。
自分の悩みが小さく見えた。
自由に強く、自分の意志を持って生きようと思った。

ありがとう。

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