正直者でいられる贅沢(6月6日~6月12日)
6月6日(月)雨のち晴れ
今日は一人で過ごす夜。行きつけの宿(であり彼の職場)で住み込みをしている女の子のYouTubeがおもしろくて見入ってしまう。いつもド天然をかまして周りを飽きさせない彼女だけれど、独学でメキメキと急成長していてかっこよすぎる。ギャップにやられ、応援したくなる。
この頃は、寝る前に5分でも読書する時間を作るようにしている。1日の中にたった5分でも本の中に没入できる時間があると、他人と共存する現実世界を少しの間シャットアウトできて、すごくいいリフレッシュになる。これが「自分の時間を持つ」ということなのか・・・。
6月7日(火)快晴
いつもより20分早く起きたら、なんと清々しい朝!恋人も目が開かないままどうにか起きてきて、ガツンと濃いめのアイスコーヒーを淹れてくれた。起きる前「あと5分」を繰り返していたため、ゆっくり飲む時間はなかったけれど。「もっと早く起きればよかった」ではなく、「これで一歩成長ッ!!」と自分を褒める彼はどこまでも前向きである。朝からひと笑いをありがとう。
寝る前のひとり読書も、朝にふたりで飲むアイスコーヒーも、たった5分で1日の仕上がりはだいぶ変わってしまうのでは?!と気づき始めている。習慣ってそういうことよね。
夜は彼の職場でワインパーティー。シェフが焼いてくれた奈義ビーフが絶品だった。あとゆずの風味がするタコの糠漬けも(タコの糠漬けって初耳!)。仕事で大幅に遅刻してしまったけれど、がんばった後のおいしいご飯とお酒は格別。しっぽりとした大人の会で、だらだらとおしゃべりする時間が最高に楽しかった。久しぶりに酔っ払った〜〜。
6月8日(水)晴れ
仕事の一大イベントが一段落し、肩の荷が下りる。今週はずっと気が張り詰めていたし、水曜日と木曜日は定時退社を決め事としたので、今日は早く帰る。
恋人の得意料理である、薬味どっさり冷や麦とサバ缶からできた冷や汁で、夏の到来を知る(昨年「毎日これでいい!」と言っていたほど私の好物)。すき家のメニューからヒントを得たという、にんにくとにんにくの芽をコチュジャンで炒めたものはビールとの相性が最強だった。
ごはんの後は『グランメゾン東京』の2話を観て、23時に寝た。キムタク感満載のキムタクってほんと最高。
6月9日(木)晴れ
昨晩23時に寝たおかげで、体の調子がすこぶるいい。今朝も、彼が淹れてくれたアイスコーヒーでさらに頭は冴えわたる。
夜は『グランメゾン東京』の3話を観て寝た。番外編の『グラグラ♡メゾン』もおもしろい。
一緒に夜ごはんを食べて、ドラマを1話だけ観て寝る。こんな当たり前に思えてしまうような時間が、なんだかんだ最も幸せを感じる瞬間だったりする。
6月10日(金)晴れ
思う存分に働き、家に着いたら酒に浸る。こんな1日は、前職での働き方を思い出す。
寝ても覚めても新ブランドのコピーのことを考えている。『グランメゾン東京』では(最近引き合いに出す話がこればっか、、)寝る間も惜しんでレシピを考案していて「アナタ、ほんとに料理が好きなのね」というシーンが何度も登場する。キムタク演じるオバナシェフには程遠いけれど、私にとって熱中できることはコレなんだな、と思ってしまうほど考えている。
明日からは大切な女友達との旅行で朝が早いので、彼の帰りを待たずに眠る。電気を消してお香を焚くと、部屋の中で唯一光る灯火が蛍みたいだった。
6月11日(土)曇り時々雨
今日は待ちに待った、女子4人旅!博多に住む3人と(1人はLAから一時帰国中)岡山に住む私の間をとって山口、萩へ。
4人揃って集まるのはどれくらいぶりだろうと考えたら、なんと3年も前のことだった。LAに旅立つ彼女を楽しく見送るために、グッドラックパーティー(そんな名前あるのか)を開いたのが最後だ。
今回は「ただ4人でゆっくり話すこと」が目的だったので、予定は詰め込まずにただただ静かな街で、のんびりとした時間を過ごす。
夜に訪れた『小倉』という小料理屋さんがとてもよかった。80歳近くのご夫婦で営んでいて、おしゃべり好きなおじいちゃんと気の利くおばあちゃんの織りなす空気が料理をもっと美味しくする。「夫婦で営む」と聞くと、たったこれだけの情報で、いいお店である予感がしてしまう。だって、愛ある場所で食べるご飯は美味しいに決まってる。
お腹がはち切れそうになりながら、まだしゃべり足りなさそうなおじいちゃんを後に、早めに宿へ帰る。
宿では、とにかく喋り倒した。3年前と違うのは、発言の後に「噛み締める間」が生まれたことだねと気づいて、私たちも大人になったのかなと笑った。
よく、しばらく会っていなくても一瞬であの頃の私たちに元通り♡なんてことがあるけれど、この4人に関してはそうは思わない。それぞれが自分にとっての幸せの形を模索し、そこに近づくための実践をし続けているから、明らかにあの頃の私たちとは別物。同じ街で同じような働き方をして、同じように恋に敗れていた頃よりも(笑)、より個が際立つようになった。私はそのことにほんの寂しさを感じつつも、だからこそ一緒に歳を重ねたいと思えている。
4人で話していると、「なんでそう思ったの?」「それはこうじゃない?」など、遠慮しない発言が飛び交う。正直者でいられる贅沢。そこには、私には私の価値観があり、あなたにはあなたの価値観があり、否定はしないよ、だってだから面白いんじゃない、という大前提があるように感じる。価値観が似通った人は一緒にいて楽だ。けれど私たちはわりとバラバラで、だからこそ、時々こうして集まることが私にとってはとても大切な時間なのだ。
宿には7時半くらいに帰ってきたのに、夜2時過ぎまで、およそ7時間ほど喋り続けた。まだまだ元気!
6月12日(日)快晴
2日目は快晴!街中での旅は、やっぱり晴れてほしい。うれしい!チェックアウトが10時だというので、ぎりぎりまでぶどうやらヨーグルトやらを食べた。
朝はコーヒーショップに立ち寄り写真撮影をし、その後は念願の松下村塾に行けたのが胸熱だった。すごく昔のことに思えるけど、たった150年ちょっと前の出来事。私の場合、自らが体感して感情を動かすことが学ぶのに一番手っ取り早いということがわかってきたから、これからもドラマと旅の合わせ技で、少しずつ歴史への理解を深めていきたい。
楽しい時間は一瞬。名残惜しさを感じながら、私は岡山方面へと向かう。一人になり高速バスに乗った途端、明日提出のコピーのことで頭がいっぱいになる。考え尽くしたかどうかは、コピーを見ればすぐにわかる。何より提出する相手よりも、自分は騙せない。自分が納得のいかないものは絶対に出したくないし、出せない。
4時間近くの道中でもちゃもちゃ考えながらも、家に着くやいなや、すぐさま洗濯機を回してお風呂で体を温めると、スッと腹落ちする言葉が浮かんでくる。ミスチルの桜井さんじゃあるまいが、シャワーを浴びる時とランニング中が、一番「降りてくる」と信じている。どうにかこれだ!と思えるコピーを完成させ、職場から帰ってきた恋人と感動の再会を果たして眠りについた。コピー、喜んでもらえるといいな。