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年度更新申告書をありものデータを使ってラクに書こう

先日、社労士会の所属支部で労基署の方をお招きして年度更新勉強会を受けてきました。

年に1回の手続きで、戸惑うことも多い年度更新の手続きですが、ありものデータを使ってラクに申告書を書く方法を紹介します。

給与計算ソフトに年度更新機能がないか確認しよう

給与計算ソフトには、社会保険手続き機能が搭載されてることがあります。

「算定基礎賃金集計表」と「申告書」が自動作成される機能があれば、出力された内容を紙の帳票に転記すれば作成完了です。

「算定基礎賃金集計表」しか自動作成されない場合は、後述の「年度更新申告書計算支援ツール」と合わせワザで申告書を作成するとラクちんです。

年度更新申告書計算支援ツールを活用しよう

厚生労働省が無料で提供している「年度更新申告書計算支援ツール」は、神ツールです。

厚生労働省ホームページでダウンロードできます。

給与計算ソフトで自動作成された「算定基礎賃金集計表」がある場合とない場合の、「年度更新申告書計算支援ツール」活用方法をご紹介していきます。

自動作成された「算定基礎賃金集計表」がある場合

申告書作成のために、年度更新申告書計算支援ツールを使用します。

1.給与計算ソフトから「算定基礎賃金集計表」を出力する
2.年度更新申告書計算支援ツールの「算定基礎賃金集計表」シートに、出力した「算定基礎賃金集計表」の内容を入力する
3.「申告書記入イメージ」シートの黄色セル(7か所)を入力・選択する
4.「申告書記入イメージ」シートの青線内に表示された人数と金額を、紙の申告書に転記する

1.給与計算ソフトから「算定基礎賃金集計表」を出力する

これです。

2.年度更新申告書計算支援ツールの「算定基礎賃金集計表」シートに、出力した「算定基礎賃金集計表」の内容を入力する

赤枠の箇所を入力していきます。

労働保険番号などは申告書に印字されているので、入力不要です。

3.「申告書記入イメージ」シートの黄色セル(7か所)を入力・選択する

⑥以外の項目:
労基署から送られてくる申告書に印字されています。
印字の通り内容を入力・選択します。

⑥:⑭(イ)欄が40万円未満の場合は1を入力します。40万円以上の場合、3回に分けて労働保険料を納付できます。延納を希望する場合は3を入力します。

4.「申告書記入イメージ」シートの青線内に表示された人数と金額を、紙の申告書に転記する

申告書に転記して、押印したら作成完了です!
いきなり清書が不安な場合は、パンフレットに下書き用帳票があるので、そちらで慣らしてから本番帳票にご記入ください。

給与計算ソフトで自動作成された「算定基礎賃金集計表」がない場合

算定基礎賃金集計表作成と申告書作成のために、年度更新申告書計算支援ツールを使用します。

1.昨年4月~今年3月分の給与と給与・賞与データを用意する
2.年度更新申告書計算支援ツールの「算定基礎賃金集計表」シートの黄色セルをすべて入力する
3.「申告書記入イメージ」シートの黄色セル(7か所)を入力・選択する
4.「申告書記入イメージ」シートの青線内に表示された人数と金額を、紙の申告書に転記する

1.昨年4月~今年3月分の給与と給与・賞与データを用意する
給与は締め日が、賞与は支給日が昨年4月~今年3月のものを用意してください。
支給控除一覧表など月ごとに出力されたデータをおすすめします。

労働保険対象賃金が集計されている項目を出力できると、尚良しです。

2.年度更新申告書計算支援ツールの「算定基礎賃金集計表」シートの黄色セルをすべて入力する

赤枠の箇所を入力していきます。

雇用保険の資格取得日・喪失日を確認しないと正しく集計できませんが、ざっくり判断目安は、

労災(左側)は、
(1)常用労働者は、雇用保険料ありの人+雇用保険料無しの免除対象高年齢労働者
(2)役員で労働者扱いの人は、役員で雇用保険料ありの人
(3)臨時労働者は、免除対象高年齢労働者以外の雇用保険料なしの人
雇用保険(右側)は、
(5)常用労働者、パート、アルバイトで雇用保険の資格のある人は、(1)と同じ
(6)役員で雇用保険の資格のある人は、(2)と同じ
(8)免除対象高年齢労働者は、免除対象高年齢労働者の人

となります。

人数や賃金の合算は、支給控除一覧表などをExcelで加工して、関数組んだりピボットテーブルで集計すれば少しはラクかと…。

なお、3.と4.は、「算定基礎賃金集計表」がある場合と同じです!

まとめ

給与計算ソフトで自動作成された「算定基礎賃金集計表」がない場合は全然ラクではないですね…

ちなみに、正しい「算定基礎賃金集計表」を自動作成するためには、前提として正しく給与計算されている必要があるので、あらかじめ正しい従業員情報が登録されていることも前提となります。

「算定基礎賃金集計表」も地味に大変なので、自動作成に対応しているSmartHRなどのソフトを入れるか(導入支援しますよ!)、作成から提出まで代行してくれる社労士(私)にアウトソースするかをご検討いただくと良いかと存じます。

導入支援やアウトソースのご相談は、@sr_saekoまでお気軽にDMください!

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