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suzukake_neiro8
1月11日 瑞気満堂春~『毎日に感謝したくなる 禅ごよみ365日』
瑞気満堂春
~ずいきまんどうのはる
瑞気はめでたい気のこと。
それが部屋に満ち満ちて、温かな春を感じさせてくれる、という禅語。
突然朝の空気の匂いに、季節の変化を感じることがある。
梅の花が咲く少し前、空気に腐葉土の香りが混じる。
海の匂いも変わる。
春に向かう海は、磯の香りがだんだん強くなると共に、少し硫黄のような匂いが混じる。
生まれて小学生になるまで、母方の実家がある糸島というところで育った。
NHKの朝の連続ドラマの舞台になっている、あの糸島である。
私がいた頃は、漁港と小さな山が近くにある、自然豊かなところだった。
幼少の頃はその匂いの変化に気がつかなかったが、大きくなって久しぶりに帰ると、その匂いは春が近づいている匂いであるとわかるようになった。
春の匂いは、お花のいい香りはない。
土中や海中で何かが発酵した匂いだ。
都会のこの時期は、花屋の店頭にスイートピーやチューリップが並び、前を通ると香しい花の香りがする。
雪が降っていても、冷たい風に吹かれても、その香りを嗅ぐと深呼吸をして、体がぐっと伸びる。気持ちが高揚する。
今日ちょうど、花屋の前を通りかかり、春の香りに出会った。
華やかな季節の到来を近くに感じて嬉しくなりながら、新年度のことを考えてしまい、ソワソワ落ち着かない。
春を思うと忙しい。
それにしても、今日は一段と寒い日であった。
乾燥もより強くなったようで、肌が突っぱって全身パリパリする。
インフルエンザがより一層広まる状況である。
皆さま、三連休をお気をつけて、お過ごしくださいませ。
こちらの禅語をもとに、noteを毎日更新しています。