はじめての抗がん剤② (長い長い夜)
わたしが主治医から聞いた話ですが、
はじめての化学療法(抗がん剤)は
誰でも副作用の症状が大きく出たように感じる。
次からは同じ症状が出ても知ってるから対策ができるから
体調にも左右されるけど、次からはまだ楽に感じることが多いそう。
何事も未知のものには怖い。
前回は病院で点滴を受けたときのことを、
夫に迎えにきてもらい、
院外処方だから帰りにドラッグストアに寄った。
たくさんのお薬を処方してもらった。
この時もう13:00頃か、ふらふらするけどお腹が空いていた。
帰宅して温かいうどんを半玉ほど食べた。
(食べすぎないように配慮したつもりだった。)
15:00頃、もうすぐ保育園から子供が帰ってくる。
本格的に気持ち悪くなってきた。
ソファに横になる、右横がいいらしい(夫のネット情報)
頭をクッションで高くして。
冷たいものがいいとがんセンターの栄養士さんに聞いたから
氷を食べて、冷たいお茶を飲んで。→△
よだれが出た方がいいのかな、と
梅のど飴食べてみたけどこれは吐き気を助長させた。→❌
胃の中のものを吐き戻しはしないけど
嗚咽して咳き込んで、唾液を吐きたくなる。
そんなのがしばしば何回かくる。
わたしは冷たいものでもなんでも口に入ると
なんかそれが起きてしまう感じだった。
息子が心配してほっぺをくっつけてくれた。→⭕️
これはかなり効果あった。
夕飯の時間、少しでもカロリーを摂らないと思いゼリーを少し、
吐き出しそうになる。4口だけ
抗がん剤投与当日は湯船に浸かるのは禁止されている。
シャワーならいいとのこと、頭皮冷却の時にトリートメントがべったりついていて気持ち悪いから頭だけは洗いたかった。
「シャワーもむりやろ…」
でも無理矢理、吐き気を見計らってシャワーした。
不思議とあったかいと吐き気がおさまった。
扉を開けた瞬間、脱衣所が寒くて吐き気マックスになった。→❌
吐きはしない、咳が出る、唾だけトイレに出す。
夫曰くこの時、顔面蒼白だったそう。
これは本当に現代の治療なのか、オエっとして涙がにじむ。
涙がにじむとそのまま心も折れそうになる。
トイレにいると落ち着く。
指示通りのお薬を飲んでから19:00頃には
早めに休もう、寝てしまおう。寝室で休むことにする。
20:30頃、息子が寝室にやって来ってくる。
起きる。まだまだ気持ち悪い。薬はいつ効くのだろう。
とてもじゃないけど絵本を読んであげれない、
夫が頑張ってくれ「おやすみロジャー」で息子入眠。
すぐに夫に「ポカリを買ってきて欲しい」と伝えた。
ゼリーが受け付けないわたしには
何かが体に絶対的に足りない。ことはわかっていた。
冷たいお茶と氷、そういえば何にもカロリーを摂っていない。
点滴をしてもらいたかった、自分で飲むしかない。
ポカリとアクエリアスを買ってきてくれた。
少しのお湯と割ってポカリを飲む。
すごく甘い。けど今なら飲める、
吐き気が出ないようにゆっくり飲む。
どんな体勢をとっていいのかもわからない。
右横がいいと夫が心配してくれるけど、左横も試す。
ベッドは水平すぎて、リビングへ移動する。
こたつ机に突っ伏す。
変に少し寝てしまって、眠ることができず、
ソファでのたうちまわり22:00になっていた。
顔面蒼白、血圧を測ってみる。(上が100くらい/下は不明)
「説明で聞いていたのと違う!」と
夫が心配してがんセンターへ電話してくれた。
説明では強い吐き気どめの点滴を入れるので、
飲み薬も飲むしはじめ3日間は大丈夫よと言われていた。
ドクターに繋がるまで時間がかかる。
もしかして入院して点滴してもらえたら良くなるのかな。
そんな希望もありつつも、強い悪心に震えて耐えていた。
若いから副作用強く出てるのかもしれないねー
追加で吐き気どめ①の方を飲んで朝まで耐えてみて
とのことだった。
ポカリなど水分を飲めているならとりあえず大丈夫らしい。
言われた通り、追加で薬を飲んで、
ソファでのたうち回り、1人にしてもらった。
何度もトイレへ行って、まるでつわりだ。
つわりでもこんなにひどくなかったぞ。
トイレで寝た方が安心して寝れるかも。
試みたけど、無理だね、酔っ払いならできる技だわね。
ソファでやっとうとうとしていたら、
0:00「お母さん、いなーい!(泣)」息子が泣いてしまった。
一緒にベッドに入ってぎゅーっと抱きしめると
すーすーすー 寝息している、よしよし。
わたしも気持ち悪さもあるけど、
息子のほっぺの力は時にすごい、うとうとしてきた。
1:00、2:00、3:00、4:00
1時間おきにトイレに起きる。
ふらふらめまい、ポカリをその都度飲む。
毎回しっかりおしっこが出る。
あの赤い点滴、ピンク色のおしっこ。
だんだん薄くなっていく。
薄くなっていくのを確認して、安心した。
穏やかな眠りについていくことができた。
7:00 やっと少し軽くなった感じがする。
(まだ気持ち悪さはある。)
やっと朝を迎えることができた。
辛くて長い長い夜だった。