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mayumiさん、mayumiさん、
コロナ禍は大人にたくさんの我慢を強いている。たくさんで集まっちゃダメ、お酒飲んじゃダメ。
お約束ごとを守るおとなは会いたいひとに会えない、話したいことを話せない。
もう、そんな時間が長い。
また、飲みたいと思うひとは何人かいる。どのひとも素敵なひと。 mayumiさんもそのひとり。いつかの新宿の夜は楽しかったと思い出す。
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新宿のボルガという味わいのある居酒屋さんで、わが愛しきピアニストmayumiさんと飲んだ。
演劇関係のひとがよく来るところなのだと彼女が言う。そうきけば、いよいよ昭和の匂いと情熱のようなものが、どこかに忍んでいるようなが気がしてくる。
ひとなつっこそうな手書きのメニューから選んだのは、「ひじき、焼き鳥、ソラマメ、小エビのから揚げ、ポテトサラダ、キャベツの辛みそ、イカリング、煮しめ」だ。
お飲み物は、生ビールに芋焼酎(これはMさん)純米冷酒(これがわたし)。
彼女が学生の頃から通っていたというその店のメニューは、どれも気取りなくどこか懐かしいような味だった。
そんな料理が盛られたいくつかの小さな皿にお箸をめぐらせ、くいくいと杯を空けるごとに、それぞれの包み紙が破れていって、それぞれの思いがゆっくり顔を見せる。
会うのはこれで3回目。どの時も待ち合わせ場所で会った瞬間から、彼女は大きな大きな笑顔を見せてくれる。
こちらも会いたかったと思っているのだが、その笑顔は同じ思いをくっきりと伝えてくれる。
酔客のざわめきのなかで近況を語り合う言葉が、たがいのこころの形を浮き彫りにしていく。
どんな場面で、どんなふうに感じたか。どんなふうにこころ弾み、こころ痛んだか。
過ごす日常のあれこれはまるで違っていても、そこで感じるこころにすーっと添っていける。そして、それが心地よい。
楽しいことばかりではない時間があって、傷つきながら、泣きながら、苦しみながら、あがきながら、それでも、そのことを糧にして、顎を上げて前に進む。
そして、今.彼女はここにいる。
その今に乾杯!その未来に乾杯!もっともっと乾杯!
2杯目からはもうもう酔いのひとになってしまい
言葉がどこをどう巡ったのか、さだかな記憶はない。まあそれは、いつものことか。
が、彼女の素直なこころ、感じるこころが、なんとも嬉しかったのは覚えている。自分ががんばれがんばれと思っていたことも。
また会ってね、と彼女がいい、こちらこそ、とわたしがいう。
そんな新宿の夜だった。
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