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何がしたい?
いつだったかのテレビの旅番組で火野正平さんが歯の神様に奥歯が生えてきますように、とお願いしていた。
いやいや、もう二度と永久に生えて来ないから永久歯って言うんだろうに。
ひとの身体はどこもみんなそうだ。左顎の関節を切り取ったときに思い知ったことだった。いくら願っても永久に生えてこない。
先日、ガンの手術をした年下のお仲間さんがやはり大切な部位を切り取っていた。失われた機能も少なくはない。
天秤なんだ。その片側に命が置かれるから、それに見合う重さなんだ。そうやって生きていくひとの生きづらさは、生きていることと釣り合っているんだ。だから受け入れていくんだ。
そして、生きづらさもやがて自分の当たり前になる。
後遺症のリンパ浮腫を抱えているMさんもそれはもう自分の一部だから、と言っていたのだが、この夏はじめて出会ったひとたちに腫れ上がった部位のことをあれこれ質問され続けて、あらためて自分は違うのだと思い知らされたという。
それは優しいひとたちの案じるがゆえのことばかけだったのかもしれないが善意は時に鋭い鋒を持つ。同情は時に優越を孕む。
まあ、それもいずれ慣れる。そういうひともいるのだ、と思える。みんなが同じではない。それを承知の上で同じところにたっていることが、素敵なんだよ。そしてあなたがなにをしたいかが
大事なんだ。
あたしが文袋として出会ったお若いひとたちに、おりおりにそういうことを教えてもらったような気がしている。ふわっとこころを軽くしてもらったような気がしている。
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