東京五日目。これまでに懐かしい人にたくさん会えて、心躍った。そして、自分の足跡が確かにここにあるのだと、しみじみ思う。
それは長く暮らしたからもあるけれど、ここには色濃く、深い思い出がたくさんあるからだ。
この地で暖めたものを作る人たちとの交流は、時に我が身の不甲斐なさを思い知らされることもあるのだけれど、才能豊かな人が我が道をいく姿に、勇気づけられ、励まされもした。
価値観は多様だ、と言いながらも、あるべき形に縛られることが多い世の中に、自分がやりたいことがはっきり見えている人の小気味いいこと、かっこいいこと。
そこにはそこの苦悩があり、昆虫の羽化のように、脱皮を繰り返すような進化の過程がまちうけているのだろうとも思う。
それぞれが自分のゴールを探しながら、手の中に産み続けるクリエイティブ。それは楽しく、苦しく、切なく。
出来上がりの一瞬の喜び、自らを天才!と思ったその後の落胆、続く苦悩、続けていくために祓う犠牲、報われない努力。認められたいという願い、高みにたどり着きたくて、常にこれていいのかと追い続ける遠い道のり。
そういうことをそれぞれが、身にしみてわかっているから、集ったときの優しさが生まれるのかもしれない。集うことで息がつけて、だれかの頑張りに目を見張り、そのエネルギーのお裾分けをもらうのかもしれない。
そういう現場にいたことがすごくラッキーだったんだなと思う。京都の自分を思い浮かべて、帰りたくないな、と思ったりしてしまう最終日の朝。
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