怖い言葉、嫌な言葉
江国香織さんの短編小説「そこなう」のなかで、男女が恐い言葉について話合う場面がある。
おんなは「うはうはという言葉が、どいうわけか、恐かったの」という。なにか常軌を逸した言葉のように思えたからだ、と。
おとこは「性懲りもなく」という言葉が恐いという。性(しょう)のつくものはたいてい嫌な感じだったと。
わたしはどんな言葉が恐いだろうと考えてみる。
えーっと、「饅頭」は落語だしなあとかボケてみる。
なかなか思いつかないものだが、ふっと浮かんだのは「なくす」だ。しかしこれはいわば万能選手でずるいような気もするけど。
「有頂天」もちょっと恐いなと思ったりする。自分がみえなくなるから。「しあわせはふこうをないほうする」みたいなかんじがするのだ。
生理的に恐いのが「ぶつぶつ」嫌なのが「ねばねば」と「どろどろ」
普通に嫌いな言葉は、えーっと、「そらみたことか」かな。これって開きかけた扉を閉じさせる言葉だなと思う。
しくじりをプラスにかえていかなきゃ生きてる意味がないのに、しくじりをいちいち高みから非難する言葉のように思うから。
「ぬけぬけ」もいやかな。
そばにいた息子2に嫌いな言葉を聞いてみた。「急に言われてもわからん」という答えだった。そりゃあそうだろうね。
「ひょっとして、『知りたがり』ってのがいやなんじゃない?」と言ってみる。
「かもしれんな」とめんどくさそうな声が返ってきた。
「嫌がられる」も嫌だね。
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