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感情というもの
そう、傾聴ボランティア、してたの。
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傾聴ボランティア講座の3回目に出席した。今回はワークをした。問題に筆記で答える。なかなか手ごわい。
傾聴では相手(クライアントという)が発した言葉を聴きながら、確認や安心のために、聴いた内容をくり返して相手に返すことがある。
相手の言葉が混乱していたら言い換えたり整理したりして返す。
ひとつめの問題はクライアントの言葉のなかから、内容のくりかえしと感情のくりかえしを分けて書き出してください、というものだった。
感情のくりかえし、というのが、むずかしい。
「急いで行ったのに、閉店ですって言われたんです。まったく」
という問題の感情というのは、頭にくるなのか、がっかりなのか、悔しいなのか、よくわからない。
それはクライアント自身の言葉のなかにはないのだけれど、きちんと拾わなければならない。
2問目は話し手の言葉を「事柄」と「考え」と「感情」にわける問題。
ふーふー言いながら15問を解いた。
たとえば
「まだ終わらないけど、がんばらなくちゃ」
という言葉のなかで「まだ」と「けど」と「なくちゃ」が感情で「終わらない」が事柄で「がんばら」が考えなのだそうだ。
「だから言ったでしょう。かあさんの言うことを聞きなさいって」
の「だから」と「でしょう」と「って」が感情で「言った」が事柄で、残りが考えになる。
そんな正解を聞きながら、なるほどひとの言葉の端々には、いろんな感情が潜んでいるのだと知らされた。それらをきちんとききわけることが必要らしい。
その後、ふたりずつ組になって相手の手に触れるということをした。
1分間握ったり、撫でたり、さすったり、包みこんだり、重ねたりした。握られているほうは目をつむった。
この1分間の長いこと。
最初は戸惑ったり、どきどきしていたが、次第に落ち着いてきて、手の甲に乗せられた相手のぬくもりが伝わってきて、じわじわといわく言いがたい不思議な感じがしてきて、気がつくとこころがシンとしていた。そして相手と確かに繋がっているという安心感がわいてきた。
どんな感じがしましたか?と講師が問うた。
みな、いろいろ答えたが、ひとり
「手を握っているときは母親の気分で、握られているときは子どもになったような気分がしました」
と言ったひとがいた。
ああ、そうだ、そういう感じだったとみながうなづいた。
講師が言った。
「以前合宿でこれをやったときのことですが、ひとりとても口数の少ないおとなしい感じのかたが参加されていて、そのひとは手を握られて泣いてしまわれたんですね。後から後から涙が出て止まらないんですね。
いったいどうしたんですか?と聞くと、『わたしはこれまでこんなふうに大切にされたことがないんです』といわれました。一分間信頼できる相手に手を握ってもらうことで、そのひとはこれまで言えなかったことがあふれでてきたんですね」
胸の奥深くに秘められた感情もある。人間という生き物それぞれにたくさんのはてながある。他人がわかりようもないこともたくさんある。そのことを心得ていることがたいせつなことだと思う。
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