文袋新作 葡萄図
若冲に夢中シリーズの最新作。
「葡萄図」
鹿苑寺の大書院の壁画、のハンカチを載せた。コラージュするように、あれこれ盛った。
これは画面作りのようで楽しい。が、それにはバランス感覚が必要だなとも思う。ひとつ間違えれば、そうとうダサくなる。
その思いで若冲の絵を見ると、その構図の危ういまでのギリギリのバランスに驚き、その決断、その勇気、その我の通し方がアーティストなんだな、と感じる。
余白、空白、抜け感、何もない空間を意識させるための技に、感動もする。
自分の作る袋は、誰かが使うもので、そのひとのお気に入りになってもらいたい、と思うわけだが、それでいて、自分の我を通させて欲しかったりもする。
ああでもない、こうでもないと、思案する。だれかの真似っこになりそうな危惧と、ありきたりになりそうな予感、奇を衒ったつもりのへんてこ。今あるものの反対を繰り返して実は元に戻っていたりもする。
それはいつもつきまとうことだが、ずっと、あたしの「すき」とだれかの「すき」が重なるといいなと願っている。
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