横顔のあなた　3 マイナスの海のなかから

こんな呟きを聞きました。

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ひやひやと肝が冷えるような思いだとか
体中の血が引いてどこかにうせてしまうような感覚だとか
胸が詰まって空気が届いていかないような息苦しさだとか
自分の言葉、自分の態度のなにもかもに
不正解の印をつけられたような情けなさだとか

人生のどの瞬間も無駄だったと思うような徒労感だとか
どの窓を開けても未来が見えないような暗澹とした気持ちだとか
過ぎ去った時間に数限りなくあった曲がり角を
ことごとく間違った方向へ曲がってしまったのではないかという悔恨だとか
後ろから来た人にどんどん追い抜かれて
ひとりおいてけぼりになってしまうようなものがなしさだとか

そういうマイナスを全て自分のものとして引き受けて
そういうマイナスがうずまくなかによろよろ立って
それでも笑顔でいた時間の思い出と
取るに足らないことでも何がしか成し遂げたささやかな達成感と
自分が自分であることの意味を
無理やり無理やり身のうちから引きずり出して
今日一日を生きていこう。

そんなふうに日を送っていこう。