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cinemakicks
マスカレードナイトを読んだ
前作を読んでいたからか、期待値が大きかったのがいけなかったのか……。
舞台装置は魅力的だった。ホテルの大晦日のマスカレードパーティー!そんなの素敵すぎるやん!
そこへの殺人の予告。ここにきて、これは、なんだか、名探偵コナンをみているような気もする。
しかし、警察の仕事は探偵ごっこではない。まるで地道だ。ホテルに、潜入し、疑い、洗い出し、潰して行く。ネット上でも同じだ。
そのなかには、探偵張りの推理力をもつ登場人物もいて、絡み合ってはいるが、まるでみえていなかったものを掬おうとする。出し抜かれそうになりながらも、危機一髪に間に合ったりする。
しかしなあ、なんというのか、うまく設計された大きな楼閣の階段を自力で登って行くような筋立てだったなあ。
複雑に絡むいろんな景色が見え隠れして、この先はどうなるのか、と緊張しつつ進んでいった先の天辺で見えたものが、なんだかぼんやりとしている、感じなのた。
なんだろうか、この肩透かし感。
まわりの人間たちのリアルさに比して、なんだか犯人だけが別の次元で生きてるみたいに感じられたのだ。エンターテイメントのなかでひとり純文学に生きてるひと、みたいな。
それでもやはり、細部のリアルの見事さ。流石。
コンシェルジュの鮮やかな仕事ぶりが特に記憶に残った。
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