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堂々たるおばさん?
あれからずいぶん齢を重ねたけど、あたし、堂々たるおばさんになったろうか?
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どういうわけか、自分は45歳で死ぬものと、幼いあたしは思い込んでいた。が、おかげさまで、軽くそんな年齢を超えてしまった。
いやあ、長生き長生き!と自分に拍手。幾山河乗り越えての今!えらいえらいとまた拍手。
もはや年齢は堂々たるおばさんですからね。
ちょっと小心なもんで、まだまだ怖いものはたくさんあるんだけど、見た目、つまり身体だけでも堂々たるおばさんですからね。
あたし、堂々とおばさんやっていきますから。泣きながらでも堂々としたおばさんでいますから。
恥ずかしいと思う気持ちは大事なことなんだけど、恥ずかしいと思う気持ちが、人生を細く狭くうつむかせているような気もして、
もう堂々たるおばさんは、恥ずかしいと思う気持ちを卒業して、そう、かなぐり捨てて、昨日の自分より今日の自分のほうが、より堂々としたおばさんになってやるんだい!なんて気分で行きますから。
この先、もうこの手には、たくさんのものは抱えられないのかもしれなくて、そのうえ大切に思っていたものやひとが、ぽろぽろと腕の中から落っこちてしまうので、もう腰をかがめて拾い上げるのにも疲れてしまって
それでも、そう思うとなんだか覚悟ができてきて、なんだかえーいと開き直ってしまって、寂しくても心細くても、気持ちは堂々たるおばさんでいますから。きっと、きっと堂々たるおばさんでいますから。
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あー、そうか、言葉でバリアを張っていたのだな、と思い出す。
歳を重ねて熟成されていくものの自覚や自信があれば、こんなことはことさらに書かないだろう。
老いていくみっともなさの予感となくしものを重ねる不安が書かせたように思える。
堂々たるという言葉で武装して、はねかえしたかったんだな。負けるもんかって。
でも、今、あたし、堂々たるおばさんがそんなにすきじゃないなあって思ってしまう。威張って見せても、中身はかわらんしね。
すきなのは、飄々たるおばあさんだな。何か来ても、柳に風ってのがいいと思う。
負けましたよって頭下げてからが人生さ。
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