ビタミンC

約2500万年前、我々の祖先はアスコルビン酸(ビタミンC)を整合性する能力を失った。アスコルビン酸は構造的にはグルコースに似ているがグルコースよりも科学的にはるかに反応性に富む。動物ではアスコルビン酸の整合性はグルコースから始まる。この一連の反応にはグロノラクトンオキシダーゼという酵素が必要で、人間およびその他の少数の動物種(例えば犬や猫も)にはこの酵素が欠けているためアスコルビン酸を生合成できない。その形成を制御する遺伝子が消滅してしまったためである。

我々の祖先はアスコルビン酸を豊富に含む食べ物を摂っていた。料理していない生の食物全般、特に果物には豊富にビタミンCが含まれている。獲物となった動物の臓器にも豊富にビタミンCが含まれている。アスコルビン酸を生合成する能力がなくなったといって絶滅することがなかったのは食べ物からビタミンCを獲得していたからである。しかし現代は生のまま野菜を食べることは少ないし、動物の肉は食べても内臓を日常的に摂ることもないので慢性的なビタミンC欠乏症に陥っていること多いらしい。

ビタミンCの最良の供給源は色付きの野菜の多くやあらゆる種類の果物である。具体的にはブロッコリー、カリフラワー、赤キャベツ、いちご、ホウレン草、オレンジ(かんきつ類)、キャベツ、カブ、ねぎ、えんどう豆、大根、トマトなどがある。

ストレスを受けるとアスコルビン酸不足に陥るがそうすると副腎は様々なステロイドやホルモンを酸化から守ることが出来なくなり、副腎疲労に陥る。副腎疲労による慢性疲労、だるさ、鬱(副腎疲労からくる鬱症状)などはビタミンCが有効な治療法となることが知られている。

このほかにもアスコルビン酸は体内のさまざまな場所で求められている。例えば白血球が体外からの侵入者(細菌など)を貪食する場合に必要であるし、目の水晶体の水分と透明性を維持するためにも必要。あまり知られていないかもしれないが脳の活動にもアスコルビン酸は必要で、複雑な過程を掛けて血液脳関門を通過させ脳にアスコルビン酸を送っている。
また、アスコルビン酸は体内に溜まった重金属(鉛、水銀、カドミウムなど)が過剰に溜まっているときにこれらを解毒するためにも使われる。

ビタミンCの有効性はいくら強調しても強調しすぎることがないが、長くなりそうなので本日はここまでとします。

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