モロッコ巡行記⑥おまけ@ドバイ/ラマダンについて
格差の話を一つ。
タイトルがモロッコなのかUAEなのかわからない感じになってしまいましたが……。
日本〜モロッコ間は直行便がないため、私は今回かの有名なエミレーツ航空でドバイでのトランジットを選択しました。エミレーツに乗ってみての感想としては、
・食事に気を遣っている(全てハラルフードの上、ベジタリアン用など色々選択できる)
・映画の数が多い
・キブラ・コンパスが付いてる!
といった具合でした。
行きは良い良い帰りは怖い……カサブランカ発の便が大幅に遅れたことにより、ドバイに到着した頃には既に成田行きの便が出発している時間。飛行機を降りるとすでに代わりのチケットが用意されており、的確な指示のもと用意されたホテルへ。以前大幅なオーバーブッキングでトルコでも似たようなことがありましたが、ターキッシュエアラインとの確たる対応の差よ……。
ただし用意された便は丸々1日後。という訳で、急遽ドバイの街に繰り出します。
ホテルを出ると、早速白タクに捕まってしまいます。が、幸か不幸か、2時間ほどドバイの街を乗り回してくれて、手っ取り早く街の様子を伺い知ることができました。
私が乗った白タクの車種はレクサスでしたが、セブンスターやジュメイラといった超高級ホテルにはロールスロイスのタクシーが来るそう。ジュメイラの入り口には金の馬がたくさん走っており、バギーからボートに移り乗ってホテルに行くのだとか。(貧乏人なので、パーム・ジュメイラ含む高級ホテル地区は通り抜けだけしました)
海が近く、いくらか湿気があるからでしょうか。モロッコよりも圧倒的に「暑い」と感じる気候でした。実際夏は50度にも及ぶそう。バス停には全て冷房が完備されているなど、暑さ対策は万全です。ちなみにドバイモールにはスケートリンクが、その近くにはエミレーツが運営する屋内スキー場なんかもあります。
ひと通りぐるっと巡ったところで、世界一高いタワー、ブルジュ・ハリファまで送ってもらいます。ブルジュ・ハリファはIT企業のビル群の中に聳え建つ複合ビルで、828mの高さをなんと5年で完成させたとか。125階の展望台へのチケットはひとり一万円かかります。課金したらもっと上まで行けますが、125階でも約450mほどありますので、充分ヒヤヒヤできます。
ブルジュ・ハリファと隣接するドバイ・モールは、ラマダン明けの祝日ということもあり、大変な賑わいを見せていました。モロッコ巡行中はどっぷりラマダンの最中でしたが、ナタを振り回している男と遭遇した以外は、あまり旅に支障はきたしませんでした。ただ、フランス人経営者のホテルなどでない限り、基本アルコール類は提供されませんので、お酒好きの方は要注意です。
慣れなのでしょうか。陽が沈むまで水も含め一切のものを口にできない状況が1ヶ月ほど続く割に、意外と皆さん元気です。大体18:30頃にあたりが暗くなると、デーツと水を摂取し、10分ほどお腹をならしてから夕食の時間となります。ただ、やはり食べないこと・口にしないことのストレスはあるようで、ラマダンが明けた翌朝は、みなこぞって朝食に出かけたり、思いっきりタバコを吸ったりしていました。
モールで目撃した全身ルイ・ヴィトンに身を包んだ子どもが象徴するように、富豪たちが多く暮らすドバイですが、そのほとんどは現地人ではありません。(ロシア人が多いのだとか)その上、労働者の多くはパキスタン、インド、バングラデシュから出稼ぎで来ています。そんな彼らが短い歳月でブルジュ・ハリファにしろパーム・ジュメイラを建設したかと思うと、その労働力に驚きつつ、皮肉めいた貧富の差を感じざるを得ません。
私が無事日本に帰国した後、ドバイ空港がどっぷり水に浸かるような大雨が降ったとニュースで知り、心配です。