港区(勤務)女子の「発心」その43@高知お遍路 竹林寺
迷うのだって楽しいじゃん?と思えた話を一つ。
かなり地道ではありますが、アラサー会社員の現実可能な範囲でお遍路を進めています。
今回は高知に初上陸し、丸二日間の歩き遍路予定。仕事が終わってから羽田空港に行き、19時発の便で前乗りします。金剛杖を手荷物預かり所に持っていくと、「こちらはどうしましょうか」とグランドスタッフに笑われてしまいました……これはただの棒ではない、空海なのに、と心の中で思う。シールを直貼りされた空海がレーンで運ばれていく姿を想像し、なんだか忍びない気持ちになってしまいました。(笑)
反対に、高知では流石の対応。預けられた動物たちと同じように、ちゃんと手渡しで持ってきてくれました。
空港を出ると、案の定タクシー乗り場には一台も停まっていなかったため、電話して来てもらいました。そこから10分、空港から一番近いとの触れ込みがある高知黒潮ホテルにて明日に備えます。
翌朝。8時前にはホテルを後にし、大日寺へ向かいます。大日寺はのいち動物園のほど近くにあります。途中、女性が歩き遍路をしているのが相当に珍しいそうで、地元の方と立ち話に。結果、凡そ予定通りの到着になりました。
ここからの札所間の所要時間は、大体1.5H〜2Hとなっていきます。国分寺でのお参りを済ませ、善楽寺までの間で昼食を取ろうと考えていましたが、コンビニですら見当たらず(善楽寺を過ぎると、ようやく大型のスーパーやコンビニのある大きな道に出ます)。ゆるい登り坂が続く中、5キロのバックパックを背負い、カロリーも減ってくると中々にしんどいものがありました。が、Googleマップを使わずとも、ところどころに出現する道標とお遍路経験者の勘で、以前よりもスムーズに周れたような気がしました。前々回の徳島でのお遍路が逆打ちだったこともあるかもしれませんが(実はまだ記事にはしておりませんが、前回少しだけ香川の札所を周りました。詳細は追って)。地図を見ずに、ここで本当に合っているのだろうかと思うような脇道や山道に、迷いながら入っていくのが楽しかったり。たまにトラップもあります。実際、善楽寺から竹林寺に向かう途中、「ポストが目印」という看板を信じて歩いていましたが、そのポストが一向に見当たらなかったり。お遍路の道中は、まさに人生のように感じることが多いです。
前方に五台山が見えると、次第に道は山の方に続いていきます。藪の中をズンズン入っていくと、突如舗装された道が。なんとそこは、牧野植物園。植物学者・牧野富太郎の植物園が高知にあるとは知っていましたが、まさかへんろ道がその中に通っているとは思いもしませんでした。お遍路さんは無料で通り抜け可能だそうで、草花が咲き誇る、おそらく一番美しいへんろ道を歩きます。今度はお遍路とは別に、資料館や温室の中までじっくりと見たいものです。
竹林寺は牧野植物園を出てすぐのところにあります。まるで星野リゾートかと見間違うようなオシャレな納経所が入り口となっています。大体16時くらいには閉まってしまう札所が多い中、竹林寺は17時まで開いています。そのため、手入れが行き届いた庭を眺めながら、しばらくのんびりと身体を休めることができました。電子、クレジットでの支払いができるのも有り難いです。
17時を過ぎると一気にひんやりとした風が吹き抜けていきます。それが心地良くもあり、だんだんと汗が冷えて寒くもなっていきます。30キロも歩いた足裏にはいつくもマメができ、全身筋肉痛で満身創痍。高知駅の宿まではMY遊バスに頼らざるを得ませんでした。
2日目の行程は次の記事で。