自閉症の息子の逃走癖
自閉症の息子は、歩き始めた頃から親の近くでじっととどまってくれることがありませんでした。地面に足を付けると、どこかに走っていきます。
抱っこ紐や、ベビーカー、スーパーのカートに収まってくれる頃は比較的連れ出しやすかったですが、そういう乗り物に乗れない年代になってくると、手を振りほどいてパッと走って行ってしまいます。
唯一おとなしくしてくれたのは、肩車です。肩車中は、自分から降りたいそぶりを見せませんでした。体重がかなり重くなってもせがまれることが多かったです。
買い物や、散歩中や、帰省した実家からも逃げ出しました。その場が嫌で逃げ出す訳ではなく、大人が追いかけてくれるの楽しんで逃走します。追いかけると喜んで、さらに逃げ回ります。街中で逃げると、ほっとく訳にもいきません。話す事も1人で帰って来ることも出来ないので、しょうがなく追いかけます。
小学生になると、逃げ足も速くなり、知恵もついてくるので、大人が油断した隙をうまくついてきます。学校の教室からも逃げ出していたそうです。放課後デイサービスでは、外出中に行方不明になり、警察に保護されたこともあります。車の前に出て渋滞を引き起こしていたらしいです。クラクションを鳴らされても本人は良く分かりませんからね。
ここなら大丈夫だろうというところに居させても。
え、マジで、
ジャンプ!
逃走!
最後の逃走は、忘れもしない小4のクリスマスに都内の植物園に行った時のことです。ちょっと離れたところにいて、走ったら追いつくと油断していたところ、角を曲がった際に見失ったのです。妻と共に、公園出口を確認したり、すれ違う人に「男の子を見ませんでしたか?」聞きながら探しました。時間にすれば15分ぐらいだと思います。かなり焦りました。。
建物の中にいました。
確保!
この逃走劇を最後に、私の知る限り逃げていくことは無くなりました。「待っておいて」と伝えると、ちゃんと待っていてくれます。
幸い、これまで事故になることはありませんでした。本当に良かったです。
小学生の頃はどこかに行ってしまわないように手をつないでいましたが、逃げなくなった今でも、その癖で手をつなぐようになっています。むしろ、息子の方が手を繋がないと居心地が悪い感じです。「おとーさん、てーつなぐー」って言います。
ちなみに、親の私も5歳の時に、保育所の塀を乗り越えて脱走したことがあります。警察も出動して町中大騒ぎになったそうです。また、小学生の時はずっと席に座っておくことが出来ず、落ち着きが無いと言われていました。そして、妻もかつて職場から逃げ出しております。お家芸です。。