
通りの掃き掃除の楽しみ
道掃きは ご近所づきあいの 要です ◉書生かるた 「み」
書生の仕事として、前の通りの、毎朝の掃き掃除があります。
先生のお宅の前の通りは、車が1台通れるかどうかというほど、とても狭い路地。
その通りに面した門の扉を開けると、石段になっており、通りから2〜3mぐらい上がったところに住宅が建ち、お庭が広がっています。
ですので、通りからお宅を眺めることはできず、石垣が20mほど続いています。
当時、その石垣には蔦が、お庭には様々な木々が鬱蒼とするほど育ち、都会の森。この石垣と石段、玄関までの飛び石の蔦や木々の落ち葉を掃くのが、毎朝の仕事。
当時、設計事務所に入りたての私は、25時ごろ終電で帰り、ぎりぎりまで寝ていたため、朝出かける前の庭掃除はなかなか大変でした。特に、秋や春の新芽の頃や、今日みたいな風が強い日は、なかなか掃きごたえがありました。
ちなみに、この通りは、とても細い路地にもかかわらず、いろいろな店舗があり、南西角にはお豆腐屋さん、新大塚プラザビルの中をぬけて階段を下りた目の前に、手づくり帽子屋さん、新大塚駅からの坂のあたりには、カフェがありました。
そして、先生のお宅の目の前には、チョコレート屋さん!
Youちゃんは「掃き掃除のお礼に、おっちゃんがくれたやつがほんとに美味しかった。」Kimちゃんからも「チョコレート懐かしいですね。私は女性(女将さん?)に頂きました。オレンジピールのチョコが美味しくてびっくりしました。」
と、かなり美味しいチョコレート屋さんだったのですが、現在は閉まっています。
あのチョコレート屋さん、今はどうなったんだろう?
今残っていたら、明日のバレンタインデーにはおすすめするのになぁ。
そうそう!先日記念館に伺ったところ、なんと東隣のお宅が解体されていました!
様々な経緯をへて、先生のお宅は、豊島区指定有形文化財「鈴木信太郎記念館」として残りましたが、周りは少しずつ変わっていくのですね。
