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書生のきまりごと

雨戸開け 一日始まる 書生の暮らし  ◉書生かるた「あ」

「書生」として住まわせて頂くことが決まった時、「朝の庭と通りの掃き掃除と、雨戸開け、この2つが書生の仕事です。」と先生から言われました。
通りと庭の掃き掃除は、雨の日以外は毎日。設計事務所勤務で終電帰りの私には、結構たいへんでしたが、ときどきおさぼりしてしまったことも…。
でも、ご近所の方とあいさつを交わして、顔見知りになることは住居を開くこと、暮らしを町へと開くことにつながっている、だからこそ、とても大切なのですよ、と先生。
雨戸開けは、一日の始まりの日課。先生がお留守で私の帰りが遅くなる時は、不用心なので、開け閉めしなくてもよかったのですが、雨戸を開けると、今日は晴れてきもちいい!とか、今日はこの花が咲いた!などなど、日々の変化や季節の移り変わりを発見して感じることができる、心地よい日課でした。
書生のその他のお仕事として、郵便をポストにいれるとか、ちょっとしたお使い、先生のお仲間がお越しの時のお茶やお食事の支度とか、先生が神戸へ行かれて帰れない時に変わりにお弔いにおうかがいする、なんてこともありました。
先生と共に暮らしているといろいろことを体験できたし、楽しんだり、驚いたり、いろいろな方との出会いも頂いて、今になると、たくさん宝物を頂いていたなぁと感じます。(NAN)


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