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ゆったりほっこり 茶の間時間
掘り炬燵 皆で車座 楽しい時間 ◉書生かるた 「ほ」
今年は春が早いかも!というぐらい、あたたかいお天気が続いていますね。
とはいえ、まだ大寒。寒いときの冬の楽しみといえば「鍋料理」。
文文先生は、牡蠣の土手鍋と白子の入った鱈ちり鍋が好物。
時折「スーパーへ行ったら、白子のよいのが売ってたんですよ!」とニンマリ。
じゃあ、今晩はお鍋ということで!と、よく日曜に鍋をしていました。
平日は、私の帰宅は深夜のため、一人鍋を楽しんでおられたみたい。
また、卒業生が集まったときも、ここでよく鍋を囲み、熱燗やお湯割りの焼酎等を飲んでは、遅くまで語り合っていたものです。
そして忘れてはならないのが、炬燵(こたつ)!
先生のお宅、鈴木信太郎旧居の茶の間には「掘り炬燵」がありました。
「掘り炬燵」は、床の上に置く机状の「櫓(やぐら)」と呼ばれるものは、普通の炬燵と同じですが、床が切り下げられていて、足を落として座ることができます。
そう、居酒屋さんによくある、アレです。
茶の間にあった掘り炬燵の中にはホットカーペットのようなものが敷かれていて、冬になると掘り炬燵として利用していて、足元がぬくぬく。ここで、夕食のお鍋を囲んだものです。
それ以外の季節にも、茶の間のちゃぶ台的に使って、食事をしたり、お茶したり。
先生の来客の応接にも使っていました。特に、学生さんや初めて来訪される方は、緊張してやってこられますが、同じところにみんなで足を落として、囲む。
そんなアットホームなおもてなしが、成文先生らしさそのものでした。
この住まいは、ありし日の時代を伝える情緒とともに、不思議とのんびりできて、あっという間に時間が経っていた!ということも、しばしば。
お客様も、午後来られて、夜遅く帰られるなんて方も、たくさんおられました。
それに、設計事務所勤務だった私は、深夜帰宅するのですが、先生が神戸に行っておられるときでも、茶の間で一息。
なんとなく心をほっとさせてから自室に上がって眠りにつく、そんな日々でした。
その空間だけ、異次元的にゆったり時間が流れる場所ってあるんですよね。
とにかく、茶の間は特に、そんな空間でした。なぜだろう?
現在、この豊島区鈴木信太郎記念館を訪ねると、この掘り炬燵には、なんと!
鈴木信太郎先生が座っておられます。
微動だにしない信太郎先生の存在感は、ちょっと緊張してしまいそう。笑
今も掘り炬燵の残るこの茶の間にて、お休みの午後、しばしゆったりなさってみるのは、いかがでしょうか。