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地域の思い出の味と、お茶の時間

新大塚界隈のこと(3)

そういえば、先生は、スーパージャンボへいくにも細い路地を教えてくれたなぁ。コーヒー豆を買われていた「珈琲館ばるばど」へ行くのも路地を通ってでした。
それから、春日通りの向こう側の、今はなきケーキ屋さんは、たしかそのパン屋さんの隣で、そこのシュークリームは洋酒の香りがほのかに漂うクリーム入りで絶品。先生のお気に入り。
先生は「1個でも買えますよ」と食べたくなると買われていたみたい。でも私は、さすがに1個だけというのは気が引けて、いつも2個からしか買えなかったなぁ。
思い出したー!名前がピエールブラン!
かわいい犬のマークが印象的でした。
なくなってしまったのが残念。涙

ありし日のケーキ屋さん(新大塚)

私は先生が研究室を持たれた最後の院生。
あの先生が、お一人で、大好きなシュークリームを一つ買いに行くお姿に、初めは驚いていました。というのも、先生はその筋ではすごい方だったので。でも、書生として暮らし始めると、生活をささやかに楽しもうとしている、そんなかわいいおじいちゃまにみえてきました。
そうそう、夕方からお出かけして夜お食事会があるような日は、午後四時頃からコーヒー豆をひく音が茶の間から響きます。これが、お出かけの合図。「コーヒー入れますが飲みますか?」と声をかけて下さり、ひきたての豆でコーヒーをたてて下さって、戸棚から出てきた到来もののお菓子で一服。これが先生とのお茶の時間。
こんな時間はいつも、茶の間のステレオからFMラジオのクラシック音楽が流れ、何ともゆったりしたひとときを過ごしていました。(NAN)


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