親ガチャ失敗でも人生ワンチャンあるから、心配しなくていいよ。 銀行員の本音シリーズ1。
福利厚生と給料に恵まれた職場で働いている私は銀行員。あと2ヶ月でリストラされる予定ではあるが、割り増し退職金がもらえるのでそれほど憂鬱ではない。私の幼少期に比べたらリストラなんて軽いイベントだ。
私の親はダメだった。いわゆる親ガチャ失敗。
両親は7歳の時に離婚、母親に引き取られたが宗教にのめり込む母からネグレクト気味に育てられた。片親パンと呼ばれる安くて腹持ちする菓子パンをおやつに与え続けられたのでぶくぶく太った。
ぽっちゃり体型で学校指定の教材すら買ってもらえない貧困家庭だったので、小学校ではいじめの対象になった。そんな私でも仲良くしてくれる同級生やお昼ご飯をご馳走してくれる友達のお母さんがいて、かなり助けられた。
しかし、自己肯定感とか子供時代の楽しい思い出など失ったものはかなり大きかったと思う。
小学生の時、自分にはどんな将来が待っているのか、どんな職業につけるのかまったくヴィジョンが見えず悲しくなった。変な自分の実家がいやでたまらなかった。お金があればいじめの被害に遭うこともなかった。
子供の世界でも大人の世界でも、お金がない人はいじめられ搾取される。
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中学、高校と公立校に進学した。塾に行かせてもらえなかった私の成績は普通、高校も偏差値50くらいの県立校しか受からなかった。飲食店やスーパーでバイトして、シャンプーや人並みの服や文具は買えるようになった。身なりや持ち物がまともになったら学校のいじめもなくなった。
先生や友達の親から「公務員は安定していていいぞ」と有益な情報を聞き、高校三年の時に公務員試験に挑んだ。
が、落ちた。やけになって自衛隊も受けたが落ちた。
今思うと自衛隊の試験に落ちて良かったと思う。自衛官のセクハラ報道のニュースを見て、自衛隊に入隊しなくて良かったと安堵した。
公務員試験全敗した私は短大に進学することにした。4大に行きたかったがお金がなかったので短大に決めた。バブル時期で経済が回っていた時期、女子は短大に行くのが主流だった。短大時代はバイトばかりしていた。
新卒で銀行に入行した訳ではなく、コネなしの貧困家庭出の私が入れたのはIT会社だった。人間関係も良く若手が多くて活気のあるいい会社だったが、株主と社長のゴタゴタで経営がやばくなり自主退社した。
その後、結婚したこともありしばらく専業主婦やパート主婦などしていたが働きたくなって派遣に登録した。銀行で働き出した。縁があってか正社員として雇われ、今があるわけだ。
結婚もワンチャンだったかもしれないが、なりよりも稼げる力と行動力をつけたのが貧困からの脱出の鍵だったかもしれない。
銀行では融資部門で働いている。融資とは、会社に資金を貸す部署。
ちなみにドラマ半沢直樹は1話だけ早送りしながら見て、つまらないから見るのやめた。金融業界以外の人には痛快で面白いドラマなのかもしれないが、行員で半沢直樹のファンなど聞いたこともない。昼間、銀行で働いて、家に帰ってきてから半沢直樹はしんどいのだ。
半沢も親ガチャ失敗だったのか。少し親近感が湧いてきた。
私の場合は親と離れ、環境を変えたことで人生が好転した。
人生うまくいかない、しんどい、自分が嫌いと悩んでる人は、思い切って悪い人間関係から逃げてみたらどうだろうか?
親ガチャ失敗なら、親との関係を切ってみる。
職場の人間関係に悩んで適応障害に苦しんでいるなら、思い切って転職してみる。
地元が合わないなら、別の場所に引っ越す。
私は、見えない神様よりもお金が好きだ。神様は困った時に助けてくれないがお金は確実に頼りになる。
お金があれば4大に行けたかもしれないし、きちんと奨学金を借りていればバイトに明け暮れることもなかった。
実業家は事業を展開するのに銀行から融資をうけるし、お金を借りるのは悪いことではない。
私の母はまだ新興宗教をしている。神様に課金するより、どうして子供の私に課金しなかったのだろう。将来への投資になり、老後の面倒や援助も受けられたかもしれないし、仕送りもしてもらえたかもしれない。
お金の使いからして間違っているのだ。洗脳されているからしかたないのかもしれない。ただの銀行員の私には洗脳を解くのは無理だ。
仕事ばかりして実家に顔を出さない私のことを母は仕事中毒だという。実際、休日出勤もしないし、それほど仕事熱心ではなし。実家が嫌だから行かないだけだ。
親ガチャ失敗なら答えは簡単だ。ハズレだったと割り切って親を捨てよう。ハズレはハズレで、人は簡単に変わらないのだ。
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