ぼくがかんがえたさいきょうのあふりか: case1
「ぼくがかんがえたさいきょうのあふりか」
「え?なに?」
「だから、ぼくがかんがえたさいきょうのあふりか」
「トルコ語で」
「Be... えーっと、d...... dü... düşündüğüm yeni... yenilmez....... ああ!やっぱりダメだ!これじゃあ『僕が考えた最強のアフリカ』になってしまう!」
「違うものなの?」
「全然違うよ!俺が言ってるのは『ぼくがかんがえたさいきょうのあふりか』だぜ?全部平仮名だ!」
「分からない。違いが分からないよ」
「.......いずれ、分かるよ。嫌でも分かる」
「え?そうなの?そういうものなの?」
「........墓へ行こう」
「急に?いや、アフリカの話は?」
「カタカナ」
「え?」
「今の、カタカナで《アフリカ》って言ってた」
「あ、そう?やっぱり違いが分からないなぁ...」
「だから、墓へ行こう。そこで、少年に会うんだ。《ぼくがかんがえたさいきょうのあふりか》を考えた少年に」
「墓に?墓に行ったらその少年がいるの?確実に?なんで?幽霊?妖怪?」
「俺に訊くなよ!!分からないけど!!分からないけども、あの少年に会えば、君も分かってくれるはずだ.....」
軽トラのエンジンがかかり、2人は西へ──