過去と現在
悪夢を見た。私がまだ小さい頃の夢。
私は小学生時代から少し変わっていた、それは周りは出来ていても一緒の事ができない事だ。勉強もそれなりにしてきたつもりだったが実際は全く出来ていなかった、今でも足し算や引き算は指を使って計算している。それを何度馬鹿にされた事か…。周りと同じ行動や集団で団結してやる事がどれほど嫌だったか。一人だけ出来ず責められ笑われ担任の先生にも鼻で笑われていた。私はまだ小さかったのでこれが病気だとは思っていなかった。周りに馴染めない、一人行動が好き、言葉を上手く伝えられない。大人になったらこれも治るだろうと思っていた。いじめを受けた事もあった、クラスメイトに「お前ってバカだよな、こんな簡単な問題も解けないなんてバカしかいないよ」と毎日罵声を浴びせられていた。それから不登校になった朝起きる度に具合が悪い、吐き気がする、病院に行っても体に異常はなかった。その時は精神の病気がそれほど知られていなかった。何もできない自分に腹が立っていた。「どうして出来ないんだ、周りと同じ事をしているだけなのに私だけ何かが違う」自分でも薄々気付いていた。
給食当番の時、ご飯を盛っていた。だが、「こいつの飯取るとバカが移るぞー」と誰一人受け取ってくれなかった。それが苦痛で仕方なかった、母親に「もう学校行きたくない、いじめられるから」と素直に話をした。母親は「家で勉強でもしてたらいい」と納得してくれた。それを聞いた私は少し心の余裕ができた気がした。だが現実はそう上手くいかなかった、幻聴が聞こえる、クラスメイト達の笑い声だ。うるさい、うるさい、うるさいと私は小さな声で呟いていた。
小学校を卒業してから中学に上がった、中学はちゃんと行こうと思っていた。それは他校のクラスメイトも居るからだ私の事を知らない人ならいじめてこないだろうと思っていた。でも中学になり勉強にもついていけずクラスの順位はいつも下から2番目。それもそうだ、小学校の勉強が何一つ出来ていなかったから。しかしこんな私でも好きな教科があった、それは歴史だ。おじいちゃん先生の歴史の授業は面白かった、色々な話を聞けた。歴史のテストだけはいつも褒められていた。
そんな私も無事高校受験も受かり毎日が充実した生活になった、友達も出来た。私を理解してくれている友達だった。毎日3人で登校し下校も一緒にしていたすごく楽しかった。初めて心を開いた友達だお腹を抱えて笑ったり家にも呼びゲームをしたり昔の自分とは違う、誰もいじめてこない、性格も明るくなった気がした。高校生活はあっという間に終わってしまった感じがした。楽しかった3年間友達に感謝。大人になった今でも遊んだりしていて電話もたまにする程仲が良い。我ながら良い友達を持ったと思った。
現在はもう30代、友達も結婚して子供も居るのでなかなか会うのは難しいがLINEはしている、地元に居る私と同じ独身の友達とはカラオケに行ったり家で一緒に映画を観たり本当良い友達を持った、今日見た悪夢は忘れよう過去は過去、今は今。今、自分にできる事を好きなようにやればいい、例え病気を持っていたとしてもポジティブに生きようと思う。
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