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いつか誰とも深く関わらずに暮らすのが私の夢

私にはずっと夢がなかった。

ただ周りの大人に将来の夢を聞かれた時に、夢っぽいものを作り上げたことはあった。

幼稚園児だった頃、将来の夢を聞かれた隣の女の子が「お花屋さん」と答えた時から数年間、私の夢っぽいものはお花屋さんだった。

小学生の頃は弁護士になりたいと答えていた。周りの大人は喜んだ。

中学生になり、そろそろちゃんと夢を作り上げないといけないと焦り、3センチほどの分厚さの職業図鑑を読破したこともある。

自分が「やってもいいかな」と思う職業に付箋をつけながら読んだ結果、義肢装具士や介護士に薄いペラペラの付箋がついた。

特に将来の夢を考えてワクワクすることもないまま、というかむしろ働きたくないなーという怠惰を抱えたまま大学生になり一人暮らしを始めた。

近所で介護士のアルバイトを見つけ、周りともまあまあ上手くやりながら働いた。

ただ人手不足で時間に終われながら働くのがしんどいなーという理由で、のんびりラクそうに見えた作業療法士の資格をとり、現在は作業療法士として働いている。

こんな感じで、正直いって私は仕事に関していえば「好きなことで生きていく!」的なキラキラ感はない。お金のために働いている。

そんな私でも最近、自分が本当に欲していること、すなわち夢ができた。

それは、誰とも深く関わりたくない!!ということだ。

世間的にはもうちょっと前向きなことや職業などを夢と呼ぶのかもしれない。けれど、いくら考えてみても私はそういったことにワクワクできなかった。

逆に、誰とも深く関わらずに暮らす生活を想像するとホッとできる。

どこか誰も私を知らない場所に引っ越して、誰も私のことを気にもかけない環境で暮らす。

日本でもいいけど、てきればベトナムやタイなんかに住めたら、言葉も通じないからさらに深く関われなくて素敵。

自分にとって負荷になるほど周囲との関わりが深くなってきてしまったら、また引っ越す。

想像するだけで最高すぎる…。

そのためには、場所を問わずに収入が得られるような仕事を探さなければ。在宅ワークなど、家に閉じこもって収入が得られるのが私の理想だ。


思えば私は、自分のことを気にかけてもらうことがずっと苦手だった。(周りの優しさなんだから、感謝はしないといけないんだけどね。)

できるだけコミュニティへの所属を避けたい。

大学生になり田舎を出て都会で一人暮らしを始めた頃、満員電車に感動したのを覚えている。

こんなに人がたくさんいるのに、お互いに何ひとつ干渉しない空間。

満員電車が苦痛な人の話はよく聞くけれど、私は互いへの無関心さが好きだった。


そんなこんなで、アラサーになってやっと将来の夢ができた。

個人的には、夢っていうのは自分にとってキラキラしていればそれでサイコーなのだ。

自分の人生を自分が楽しむために夢があるのだから、別に親や先生、周りの大人に堂々といえる必要性はない。

まあ、そうはいっても大人に話す用に夢を作り上げておく手法も時に自分を守ってくれるんだけどね。

「夢=職業」、「夢=世間的にもキラキラしたもの」、などの固定観念があると、自分の理想を見逃してしまう危険性がある。


夢っていうのは、もっと小さくてもいい。(風呂あがりにアイスを食べれる人生を送る、っていうのも立派な夢なのだ。)

夢っていうのは、世間から見たらくすんだ色をしていてもいい。(引きこもりたいっていうのも立派な夢。)

自分が思う、自分の本心から心地よい人生を送れますように。

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