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【オープンデータでデータ分析】将来推定人口マップで見る石川県

おつかれさまです。石川県のシビックテック団体Code For NotoのBee.B.です。
民間企業で働きながら、石川県のデータアナリストをしている者です。

今回は、オープンデータを活用して、国勢調査2020の1kmメッシュデータをマップにプロットし、石川県の人口構成や課題を分析をしていこうと思います。


データの可視化

総務省統計局の「平成22年国勢調査に関する地域メッシュ統計」、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」の推計値、「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」の推計値及び仮定値(生存率、子ども女性比、純移動率)等から作成された、国土数値情報 1kmメッシュ別将来推計人口データ(H29国政局推計)(shape形式版)のデータを用いて分析していく。

可視化のプラットフォームはGoogleのLooker Studio。
メッシュの頂点となる緯度経度は以下のサイトで一覧を取得。

Looker Studioで任意のポリゴンで塗分けマップで可視化するには、データを空間位置データに変換する必要があり、Big Queryを経由しないといけません。
以下を参照。

ざっくり言うと、データセットを準備したら、以下のクエリを実行し、実行結果をBIg Queryテーブルとして保存します。

SELECT
ID, VALUE,
ST_GeogFromText(WKT) as WKT
FROM (*ここにテーブル名*)

そうすることで、WKTを空間位置データとして認識してくれます。

メッシュマップ

完成した石川県の将来推定人口 メッシュマップはこちら

分析

2050年 男女計 総人口

能登が白い。いや、金沢以外はほぼ色が無い。実際にポインタをメッシュの上に置いてみても、2024年現在はまだ人が住んでいる地域でも、推定人口が0に近いところが多い。
そして、令和6年能登半島地震が起き、能登の人口はさらに減るだろう。

2050年 男女計 65歳以上 人口比率

今度はこっちは能登が赤い。
先ほど人口がほぼ0に近づいている能登のメッシュが真っ赤に染まっている。
奥能登地域は高齢化率がさらに高くなり、そして集落が点在している。
震災後、どのように地域を復興していくかが鍵となりそうだ。

ここで、少し能登地域に古くからある「烏帽子親農家制度」について紹介する。「烏帽子」と書いて、「よぼし」と読む。

私が石川県に移住してから能登地域にこのような制度があることを知った。ただ、職場の20~50代の人はほとんど知らなかったが、定年間近のおじさんは良く知っていた。

以下、引用

烏帽子親とは、別の家族との間で親子関係を結ぶ擬制親子を指し、石川県内では能登にだけ見られる慣習として伝えられてきました。烏帽子親は烏帽子子の保証人や仕事の世話をするなどの援助や相談相手になるのに対し、烏帽子子は烏帽子親の仕事や冠婚葬祭を無報酬で手伝うといった、実の親子と同様の密接な関係を結びます。神子原地区が平成17(2005)年から始めた「烏帽子親農家制度」は、都市部の学生に宿泊型の農業体験を提供する交流事業です。能登の伝統を生かして宿泊先の農家を烏帽子親、学生を烏帽子子とし、学生はさまざまな農作業を通して農村と住民の心にふれます。親子のさかずきを交わした農家と学生は、その後も定期的に連絡を取り合いながら交流を深め、実際の烏帽子親のような関係が築かれることを目指しています。

http://noto-satoyamasatoumi.jp/detail.php?tp_no=202

つまり、血縁関係のない子どもたちが農家のおじいちゃんおばあちゃんのところに住み、盃を交わし、疑似的な同じ関係を結ぶというもの。
もともと、源義経に所以するらしいが、それはまたどこかで。

何がいいたいかというと、この制度によって、農村に関係人口が増えるということである。石川県羽咋市ではこの取り組みを行い、大学生を一定期間農家に住まわせて、彼らが大学を卒業したあとも、親子同然の関係で帰省しに石川県に来たり、結婚式にまで呼んだり。能登の温かさを繋ぐ素晴らしい制度なのである。

今回、大震災によって広範囲で停電が発生した。電気が使えないと、もはやデジタル技術での解決は出来ない。
実際に今回の大震災は石川県に帰省されていた普段都会にいる若い人たちが、お年寄りを高台におんぶして避難させたり、倒壊した家屋から救出したり、部屋上のブルーシートを掛けたりしたという。
今後、日本全国はこのように高齢化が顕著になっていく。それを解決するのはデジタル技術では必ずしもなく、若者の関係人口を増やしていくことだろうと思う。
そして、能登には烏帽子親農家制度という田舎らしい古い風習がある。これを活かさない手はないのではないかと思っている。

2050年 男女計 0~14歳 人口比率

0~14歳比率は奥能登は壊滅的に白い。
この現実を可視化し、共有しておくことが、今後のまちづくりでは必要になる。
上図は石川県に住んでいると常識的に思えるが、私自信、データアナリストという仕事をしておきながら、石川県がこのような現状になっていることは知らなかった。
そして、例えば、伊豆半島や長野県の山奥、男鹿半島、島根県がどんなどんな人口構成なのか、想像も付かない。

今回の地震を機に、多くの人が石川県に関心を持ってくださり、支援をしてくださり、メディアでも石川県・奥能登地域の社会課題に対して関心を持ってくださっている。
石川県に肌感覚の無い人たちが、このようなマップを見ていただき、少しでも石川県の将来の人口構成と社会課題をご理解いただき、
今後、この課題先進地域でどのように復興していくか、一緒に考えていただくお仲間になっていただければと嬉しく思います。

Code for Notoではほかにも様々なマップやグラフを作成しております。

他の自治体さんで、自分のところのマップを作成して欲しいというご依頼も受け付けておりますので、
お気軽に

code4noto@gmail.com

までご連絡いただければ幸いです。

おつかれさまでした。
それではまた!

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