中小企業診断士を目指した社会人2年目の時の話
今思えば診断士を目指したのが人生の分岐点だったと思う。新卒で信用金庫に入ったが、正直仕事にやる気がでなかった。1年目は預金係(窓口や2列目の人)をやって2年目で融資係をやった。あ~、このまま3年目には営業になって数年は同じことをやるんだな、主任になって給料はこれくらいで~、みたいなことを考えていたら、急にむなしくなった。東京に行ってもっと大きなビルで仕事がしたい!ドラマみたいなオフィス環境で働きたい!と思った。じゃあ転職しよう、東京に行こう!と思ったが自分に何も武器がない、ましてや地方なので転職活動ができない、となると、とりあえず資格を取るか、と思った。
何の資格がいいか考えた、金融と経営学に興味があり調べると『中小企業診断士』という資格があることを知った。よし、これを取ろう!と思ったのが社会人2年目の9月頃。どうやら独学では難しいためTACという資格予備校の通信講座を受けることにした。代金約30万、給与がとても少なかった私は、なけなしの貯金をコンビニで振り込み、翌年8月の1次試験を目指すコースを申し込んだ。これが人生の分岐点だった。ここから20代は多くの経験をしたと思っている。
通信講座に申し込んだ後は毎月大量のテキストや問題集などの本が届いた。仕事終わりに毎日DVDを見て問題集を解いた。仕事終わりに机に向かい毎日1人で勉強するのは正直辛かった。ただ30万も払っているということと、内容が好きな部分もあったので続けられた。
ちなみに診断士1次試験は2日間あり7科目受験する必要がある。全部合格できなくても翌年は合格科目が免除される。1次を突破すると2次試験の論文があり、2次を突破すると最終面接、面接合格後に実際に中小企業を診断する実務補修がある。そして診断士になるという、結構道のりは長い。
診断士を申し込む前に色々調べると、2次試験ではなく養成課程という選択肢もあるらしい。全国各地にあり、一番メジャーなのは中小企業大学校で東京にある養成課程だ。私は東京に憧れているという想いが強かったため、この養成課程に進もうと思った。
1次試験の1ヵ月前に模擬試験を受けた。7科目で420点以上(1科目40点以下は足切りになる)必要だが、なんと320点だった。100点も足りない、ヤバいと思うと同時に無理だとも思った。ここからどうするか、色々考えたどり着いた結論は、『問題も回答の選択肢も意味を1回で理解すること』だった。2日間で7科目、正直集中力がもたない、そのため何度も読み返すと集中力が途切れてしまう。じっくり1回読んで理解しようと考えた。
その後はひたすら1回で理解するため過去問を解きまくり、奇跡的に1発で7科目合格することができた。
その後は中小企業大学校ではなく東京の大学の養成課程に進んだ。養成課程では20代から60代まで幅広い年代の人がいて、チームを組んで診断研修をした。大学院はMBAも取得でき、大量の課題で大変だがこの授業がとても面白かった。朝から夜遅くまで缶詰め状態で勉強し、卒業したと同時に中小企業診断士となった。信用金庫はやめてそのまま東京でメガバンク(結局金融)に入り、4年務めて30手前でやめた。今も東京で働いている。
社会人2年目の時に診断士を取る道を選んだ結果が今に繋がる。誰かの言葉か忘れたが、その時に胸にあった言葉、『今いるところから抜け出したかったらレベルアップするかドロップアウトするしかない』をなぜか今も覚えている。診断士を選ばなかったらどうなっていたか分からないが、選んだことに後悔はしていない。信用金庫からメガバンクへとキャリアアップもでき良い経験になった(メガバンクの仕事量はかなり辛かったが・・・)
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