2023 Xデザイン学校マスターコース#3.5(8/12) ふりかえり
こんにちは。UX3年目の永井です。
この記事では、Xデザイン学校マスターコース#3.5観察調査の気づきを書いていく。
デザイン業務の分業化にどう立ち向かおうか?
デザイン業務の効率化が進むほどリサーチャー、プロトタイプ設計者、評価者と分業化されやすい。そのためHCDプロセスを最初から最後まで走り切れるデザイナーは稀である。
今回の講義では、製造業においてエスノグラフィー調査からプロダクトリリースまで完遂したデザイナーを講師に招き、観察調査のイロハを教えてもらった。
プロトタイプを実現できる製造業の強みを活かし、観察調査から得られたインサイトを要件化する仕組みづくりが自分のミッションだと再認識できた。
なんてことのない雑談がラポール形成に必要。
「とりあえずやってみて体で覚えましょう」というのがXデザイン学校の流儀。本講義でも「計画が大事だ」と教わりつつ、今すぐ近隣の飲食店へフィールドワークへ行き「ネットサービス」に展開できる気づきを見つけてきてねと無茶ぶりを言われた笑。
私を含め4人の生徒がトルコ料理屋に向かい、お客さんや内装を観察し、店員さんへ雑談を試みた。最初は距離感のあった女性店員も料理や内装についてあれやこれや聞くと気さくに答えてくれる。ネットサービスに使えるネタのために質問を計画していたら他愛のない雑談はできなかっただろう。
(後日、タクシーの運転手さんと雑談で盛り上がった。相手のことを知りたいと思えば質問も浮かびやすく、連想ゲームのようにつながる。)
間接観察から利用状況の理解を持続的に得る。
amazonもNetflixも直接ユーザにインタビューするのではなく、膨大な利用者データからサービスを改良している。継続して生活データを取り続けることがIoTで実現できているが上手く活かしきれていないのは、サービスではなく製品のみに活かそうとするからかもしれない。
パターン化・概念化・具象化は奥が深い。
人は状況によって行動や価値観が変わるものである。子どもの前では信号無視はしない。電車が止まっていればタクシーに並ぶ。その状況に置かれたユーザの心情を理解すれば、真の問いや解決策を創造できると理解した。
頭では理解できたが実際にパターン化をやってみると難しい。他の生徒さんのパターン化もみて勉強しようと思う。
パターン化と概念化した後には具体的な解決策に変換する必要がある。インサイトを見つけた後にビジネス提案に説得力がなかったり絵に描いた餅だと切り捨てられるのは、具象化されたプロトタイプがないからかもしれない。ここでもHCDプロセスの完遂が課題になる。
最後に
今回は初めてのリアル講義に参加できとても楽しかった。講義後もチーム2の方や講師の方からいろいろな刺激を受け、もっと学ぼうという意欲が高まった。デザインの重要性が組織に認識されていないという共通の状況におかれていることもわかり、真の問いと解決策を見出していけたらと思う。
蛇足:ワークショップの内容メモ
ストーリー(事実の記録)
教室から徒歩4分のところにあるトルコ料理店は、大通りから小道に入った2ブロック先にあった。ケバブののぼり旗が目印。外装にはトルコの国旗、内装にはトルコの地図や民族小物が壁に飾られている。店内の大型液晶テレビからは夕景のビーチ映像とヒーリング音楽が流れていた。店はトルコ人の夫婦が営んでいる。女性がホール、男性がキッチン。
11時45分、入店。お客さんはいない。11時50分、食事を注文。12時、前菜が提供される。その頃からお客さんが入り始める。11時55分に20-30代男性3人組がテイクアウトを注文し、12時10分に料理を受け取った。その後も常連風60代男性1人、トルコ人40代男性1人、若いギャル風女性2人組(予約客)、カップル客が次々と入店した。12時25分、メインディッシュが提供される。12時40分、デザートと熱い紅茶が提供される。12時50分、現金で会計し退店する。12時55分、教室に到着する。遅刻。(店員さんとの雑談内容は割愛)
違和感
あまりにも居心地がよく長居してしまったが、こんなビジネス街のランチで、平日もこんなにまったりできるものか?テイクアウトのお客さんや食事の内容に対して、食事の提供が意図的にゆったりしていないか?
パターン化(これがパターン化であっているのか??)
お客さんを2種類にわけて提供するサービスを変える。
問題点:お店を2人でやりくりすると、1日で対応できるお客さんに限りがある。長時間待たされるとリピート客が減るかもしれない。
解決策:店内食事の場合は、お客さんの滞在時間が増えても飽きないよう内装や音楽を工夫すると同時に客単価をあげる。テイクアウトのお客さんには提供時間を短くし、定型のお弁当を提供する。
概念化(これもあってるのか?)
ウェブを閲覧するお客さんを2種類にわけて提供する画面を変える。
・スマホで情報を手軽に早く欲しい人。情報を早く与えて満足してもらうレイアウト。
・パソコンで情報をゆっくり吟味したい人。世界観を伝えるための付加情報も厚くフォローし滞在時間をふやすレイアウト。